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15 小さなご褒美

普通は逆?まあ、年上に愛でられたい健斗くんなのです。健斗くんが愛でる場面もそのうち書きます(^^)



「んじゃなー」


授業が終わり雅人はさっさとそう言って教室から出る。きっとこの後デートとかなのだろう。まあ、俺もこれからは大事な使命があるのだが・・・


「おーい、巽。少しいいか?」


そんなことを考えていると先生から呼ばれた。なんだか学校と家で呼び方違うのは変な感じがするが、俺はあくまで学校では先生の一生徒なのだ気持ちを切り替えて先生の元に行く。


「何かご用ですか?」

「あー、ちょっとお前に話があってな。ここじゃあなんだし場所を変えよう」


そう言ってから先生はさっさか歩きだしたので俺も鞄を持って歩きだす。しばらく歩いてから人気がない教室に移動すると先生は周囲に誰もいないことを確認してから言った。


「今日からお前にちーちゃんの迎えを頼むわけだが・・・本当に大丈夫か?」

「大丈夫かと聞かれたら正直あまり自信はないですね。千鶴ちゃんからしたらいきなり知らない男に送り迎えを任されるわけですし」

「ちーちゃんもそうだが、お前のこともだよ」

「俺の?」


そう聞くと先生は珍しく少しだけ迷ったような表情をしてから言った。


「昨日からお前、私やちーちゃんに気をつかってる上に今朝もかなり早起きだったんだろ?別に私はお前に無理をしてまで何かを望んだりはしないからあまり無理はするなよ」


どこか優しい言葉だが、俺はそれを聞いて少しだけ寂しい気持ちになる。俺のことを思っての台詞なのだろうが、意中の相手からそんなことを言われるとまるで期待されてないように感じてしまうのだ。だから俺は・・・


「先生、俺は無理はしません。ただ、やりたいことをやってるだけなので大丈夫です」

「そうか・・・だが、少しでも辛かったら言えよ。出来ることはするから」

「なんでもするじゃないんですね」


そこはなんでも言うことに聞くからみたいな台詞が欲しかった。まあ、どうせ大した要求は出来ないけどね。千鶴ちゃんもいるし。そんな俺の内心を計ったように先生はニヤリと笑って言った。


「なんだ?何かして欲しいのか?」

「ええっと・・・じゃあ一つだけお願いがあります」

「ん?なんだ?」

「俺の頭を撫でてくれませんか?」


そう言うと先生はキョトンとしてからくすりと笑った。


「なんだ、そんなことでいいのか?そもそも男は頭を撫でられるのはあまり好きではないと思っていたが・・・」

「まあ、プライドとかの問題で苦手な人はいるでしょうけど、俺はいつも撫でる側なのでたまには撫でられたいんです。もちろん先生の頭を撫でてもみたいですけどね」

「おかしな奴だな・・・」


そう言いつつも先生は俺の頭を優しく撫でる。男とは違うの女性の柔らかな手の感触に思わず気持ちよくて目を細めてしまうが、先生はそんな俺を優しく見ながら言った。


「本当に・・・お前は私が知ってる誰よりも私好みの性格をしているな」

「内面だけですか?」

「外側ももちろん好みだよ」


ストレートに言われて照れそうになるが結局時間ギリギリまで俺は先生に頭を撫でられるのだった。

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