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130 オタ友さんとの再会

再会は唐突に



「お待たせ。ここで昼かーーー」


先生の言葉は途中で止まる。珍しく驚きの表情を浮かべる先生が見るのは古くの友人の水橋さんだ。


「久しぶりだね、はるるん」

「なんでここに・・・しかもなんで健斗達と一緒なんだ」

「ま、とりあえず座りなよ」

「それじゃあ、私達は移動するね」


そう促されてから俺と千鶴ちゃんは隣の席に移動する。そうして先生と水橋さんが二人きりになったのだが、先に切り出したのは水橋さんだ。


「元気そうだね、はるるん」

「・・・瑠美が呼んだのか?」

「少し違うよ。私を呼んだのは確かにるみにゃんだけど、それをお願いしたのははるるんのナイト様だよ」

「健斗か・・・」


ちらりとこちらを見る先生。俺はそれに少しだけ苦笑すると先生はため息をついて言った。


「まあいい。それで?」

「うん、はるるんに会ったら言おうと思ってたことがあるんだ」


そうして水橋さんは少しだけ申し訳なさそうな表情をしてから頭を下げて言った。


「ごめんね、はるるん。あの時はるるんに酷いこと言って」

「気にするな。私こそお前の言葉を聞いていなかったからな」

「・・・うん」


きっと何やら言い合いがあったのだろう。それを俺が知ることはないかもしれないが、そんなことは些細なことだ。大切なのは先生がこの再会に喜んでくれるかどうか。かなり余計なお節介なのはわかっている。だからこそそれを願うと水橋さんは少し優しい表情で言った。


「はるるん、いい人に出会えたみたいだね。前より顔が明るいもん」

「まあな。きっと私が前にお前のことを話したからこうして余計なお世話をしてくれたんだろうな」

「そうだね。るみにゃんから連絡がきたときは驚いたよ。でもはるるんの子供にも会えたし、新しいナイトくんははるるんとの相性良さそうで安心した」


なんだか話題にされるのは少しだけ照れ臭いので思わず視線を反らしてしまう。


「ねえ、はるるん。はるるんはさ、本気なんだよね」

「今も昔も本気だ」

「そっか・・・なら、今度ははるるんを応援するよ。私はまだこの年で未婚を貫いてるけど、それでも今度は親友のはるるんのことをちゃんと応援する」

「・・・ああ。ありがとう」


なにやら嬉しそうな表情を浮かべる先生。少なくともこの再会がマイナスではないとわかってほっとしていると、瑠美さんがニヤニヤしながら言った。


「頑張ってね。ナイトくん」

「・・・頑張ります」


ナイトなんて柄ではないけど、それを先生が望むならなってみせよう。まあ、不格好なのは勘弁してもらう。そんな風に再会はゆるりと過ぎていくのだった。






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