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128 午前中はべったり

ちーちゃんのターン


「しっかし・・・満面の笑みだねぇ」


膝の上に千鶴ちゃんを乗せて絵本を読んであげているとそんなことを言ってくる瑠美さん。先生が出掛けてから千鶴ちゃんに何処か出掛けようかとたずねたら、家で絵本を読んで欲しいと言われたので付き合ってるのだ。


「ちーちゃん楽しい?」

「うん!」

「それは良かった。しかしそうしてると本当に親子みたいだね」

「それは嬉しいですね」


千鶴ちゃんの父親になりたいのでその言葉には凄く嬉しくなる。嬉しいのだが・・・


「というか、瑠美さんはコーヒー片手にこっちを観察するのやめてくださいよ」

「えー、ダメ?」


暇なのか俺と千鶴ちゃんを眺めている瑠美さん。コーヒーを持っているとなんだか先生に似てるので姉妹なんだなぁとは思うけど、それよりもじっとこちらを見られるとかなり気になってしまう。


「なんだか健斗くんはお母さんみたいだよね」

「親のカテゴリーなのは嬉しいですが、母親は別にいますから」

「でも、姉さんより健斗くんの方が家庭的だし、これで性別が男なのは惜しいよねぇ」

「惜しくはないでしょう」


とても恐ろしい想像をする瑠美さんに突っ込んでいると、くいくいと袖を引っ張られる。俺はそれで千鶴ちゃんが構ってと言っているのがわかったので、読み聞かせに集中することにする。


「ごめんごめん。続き読むね」

「うん」


そうしてしばらく絵本を読んであげてから、喉が渇いたので、飲み物を取りにキッチンまで行ってくと、後ろからとてとてと、付いてくる千鶴ちゃんに思わず苦笑する。


「心配しなくても飲み物取りにきただけだよ。千鶴ちゃんを置いてきぼりどこにも行かないから」

「ほんとう?」

「うん、約束するよ」


屈んでから小指を出すと、千鶴ちゃんも意味を理解したのか同じように小指を出してきて約束をする。


「ゆびきりげんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます。ゆびきった♪」


久しぶりのフレーズだけど、いつ聞いてもかなり理不尽なものだと思う。まあ、それくらいの覚悟が必要だと言いたいのだろうけど、無垢な子供が言うとかなり破壊力がある。


「さて、じゃあ次は何をしようか?」

「あのねあのね、ちーおにんぎょうさんであそびたい」

「なら、やろうか。お昼頃までは千鶴ちゃんのやりたいこと全部やろうか」

「うん!」


そうして午前中はべったりと俺に張り付いてくる千鶴ちゃんと一緒に過ごした。瑠美さんが終始ニマニマしながらこちらを見ていたのが気になったけど、まあ、仕方ない。それよりも千鶴ちゃんの相手をすることの方が重要だからね。





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