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127 いつもの朝

日常に戻る


翌朝、自宅に帰って一晩寝てから仕事がある先生のために早めに起きて朝食の支度をしていると、眠そうに目をこすりながら起きてくる千鶴ちゃんの姿があった。


「おはよう、千鶴ちゃん。よく眠れた?」

「おはよう・・・うん」

「それなら良かった。朝ごはんパンでいいよね?」

「ぱん?たべる!」

「じゃあ、準備するからママも起こしてきてくれる?」

「うん!」


嬉しそうにとたとたと先生を起こしに行く千鶴ちゃんに思わず微笑んでいると、ぬっと机から顔を半分出しながら怨めしそうにこちらを見ている瑠美さんと目があった。


「私は起こしてくれないんだぁ」

「朝からホラーはやめてください。起きてるのわかってるから言わなかっただけですよ。瑠美さんもすぐに朝食ですけどいいですよね?」

「ありがとー」


そんなやり取りをしていると、寝室から先生を連れ出してきてくれる千鶴ちゃんの姿があったが、俺は視線を逸らしてから言った。


「ありがとう千鶴ちゃん。そして起きてください遥香さん。朝ごはん出来ますから着替えてください」

「うぅん・・・着替えさせて」

「やりたいのは山々ですが、今は無理なので自力で頑張ってください」

「けちだなぁ・・・」


下着姿のまま寝室に戻る先生。本当に寝起きはこれが多いからなぁ・・・わざとやってそうなレベルだよ。そんなことを考えていると、千鶴ちゃんがこちらに来てから首を傾げた。


「おにいちゃん。ちーもおてつだいするー」

「お、ありがとう。ならお皿運んでくれるかな?重いから気をつけてね」

「うん!」


嬉しそうにお手伝いをしてくれる千鶴ちゃんにほのぼのしていると着替えてきた先生がそれを見て微笑んだ。


「お、ちーちゃんお手伝いか。えらいな」

「えへへ・・・」

「助かってます。遥香さんコーヒーいりますよね?」

「ああ。頼む」


いつも通りの場所に座ったのを見てからコーヒーを入れつつ俺は一応瑠美さんにも聞いた。


「瑠美さんはコーヒーどうします?」

「んー・・・朝はコーンポタージュがいいなぁ」

「じゃあ、用意しますね」

「え?あるの?」

「一応インスタントになりますが」

「はぇ・・・出来た嫁ですなぁ」


そんなことを言う瑠美さんに先生はニヤリと笑って言った。


「だろう?自慢の嫁だからな」

「あの、千鶴ちゃんの前で嫁宣言はやめてください」

「いいだろ?お前は私のものなんだから」

「まあ、そうですけど・・・」

「ほほう。ラブラブですなぁ」


そんな感じで今朝は久しぶりにまったりとした時間を過ごすことができた。それにしてもやっぱり朝から家事を出来るのはやりがいがあっていいものだと心から思うのだった。千鶴ちゃんと先生が一緒にいるので尚そう感じるのかもしれないな。








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