12 神に誓って何もしてない
ヘタレじゃないよ?草食系なのです(^_^;)
「ふぁ・・・おはよう・・・」
「おはようございます。」
しばらくして時計の時刻が7時になろうとする頃に先生は起きてきた。俺は挨拶をして先生の方を向いてからーーーそのまま視線を反らした。
「ん?なんだその反応は?」
「先生。その格好で俺の前に立たないでください」
薄くて下が見えるネグリジェ姿の先生。しかもスタイルがいいのでかなり色っぽく見えてしまう。あれ?おかしいなぁ・・・さっき寝てる時はそこまでドキドキしなかったのに今はヤバいくらいにドキドキしてる。
きっと先生の寝顔が俺の理性を抑える要因になったのだろうが・・・それにしてもこの程度でドキドキしてしまう自分の若さに思わずため息が出そうになる。
そんな俺の内心を察したように先生はニヤリと笑って言った。
「そういえば起きたらちーちゃんがいつもとは別の位置に寝てたんだが・・・お前何かしらないか?」
「さぁ?先生の寝相が悪いからじゃないですか?」
「ほぅ?つまりお前は私の寝相が悪い姿を見たと?」
思いっきり地雷踏んでしまった。俺はその言葉に何を言うべきか少し考えてからため息をついて言った。
「寝ぼけてた千鶴ちゃんを部屋に運んだ時に少しお邪魔しました。誓って二人には何もしていません」
「ちーちゃんを抱っこしたんだから何もしてないことはないだろ?」
「その程度は許してほし・・・ん?先生、もしかして起きてたんですか?」
俺は千鶴ちゃんを運んだとは言ったが抱っこしたとは言ってないので、そう聞くと先生笑って言った。
「いんや。カマかけたみただけだが?」
思いっきり引っ掛かってしまった。千鶴ちゃんを抱っこしたことに対して何か鉄拳制裁的なものがないといいなぁ、と思って先生をチラリとみるが・・・先生は特に気にした様子もなくあくびをしていた。
「あの・・・怒らないのですか?」
「何が?」
「千鶴ちゃんを抱っこして先生の部屋に無断で入ったことですよ」
「ん?それのどこに怒る要素があるんだ?まさかお前ちーちゃんに何かよからぬことをしたんじゃないよな?」
ボキボキッと、朝から拳を鳴らす先生。俺はそれに対して一切やましいことはしていないと必死に先生に訴えかけることでそれは止んだが、先生はため息まじりに言った。
「別にちーちゃんに酷いことをしなければ私はお前を責めたりはしないさ。例え私の身体に少しばかりおいたをしてもちーちゃんの前でなければ許すよ」
「さらりと俺の思春期を刺激することを言わんでください」
「むしろもっとがっついてきても私的にはいいんだが・・・乙女チックなお前にはまだ早いか?」
いつの間にか乙女キャラが先生の中で定着しているようなので俺はそれに対して一言文句を言うことにした。
「先生。俺は別に乙女チックじゃないです。ただ、思春期特有の異性への憧れが人より少しだけまろやかなのと、好きな人とは順序だてて雰囲気を大切にしたいだけです」
「それを乙女チックって言ってるんだが・・・にしても、そうか。お前は私を意識しているのだな?」
そう言われて俺は言葉につまりながらボソッと答えた。
「・・・好意がなければ、ここでこうして料理なんて作ってませんよ」
「ん、そうか」
そう言ってから先生は顔を洗いに洗面所に向かったが・・・一瞬だけ見えたその横顔はどこか嬉しそうに見えたのは俺の気のせいだろうか?