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111 ホテルで一息

定期連絡


「ふぅ・・・」


二日目も無事終了して俺は本日泊まるホテルの自室で一息つく。先生と別れてからはスマホのナビを片手になんとか雅人達に合流してから少しだけ観光しただけで終わった。


「さて、どうしたものか・・・」


本日は個室なので人目を気にすることなくゆっくりできるけど、夕飯まで特別やることがないのが残念だ。いっそのこと厨房でも見学させてもらうか?いや、それは真面目に仕事をしている人を邪魔するような行為だしダメだ。


仕方ないので、昼間撮った写真をみて色々と思い出していると、ふいにスマホが鳴った。着信は瑠美さんから。でもこの時間に電話とは珍しいと思って出る。


「もしもし」

『もしもし、おにいちゃんですか?』

「あれ、千鶴ちゃん?」


電話をかけてきたのは千鶴ちゃんだった。瑠美さんのスマホを借りたのだろう。


『おにいちゃん、ちー、これからゆうはんだよ』

「そうなんだ。俺ももう少ししたら夕飯だけど、瑠美さんは何を作ってるかわかる?」

『えっとね・・・たぶん、しちゅーだとおもう』

「シチューか。美味しそうだね」

『でもね、きのこがいっぱいはいってるの』

「あらら。それは残念」


千鶴ちゃんは基本的に好き嫌いをあまり言わないが、結構野菜全般がダメだ。まあ、母親もそうなのだが。その中でもブロッコリーとかキノコは飲み込むことでしか食べれないのだ。無論健康的にも喉に詰まらせるリスク的にも看過できないので普段は細かくしてわからないようにしたりして工夫しているが・・・まずったな。瑠美さんが知らないのは誤算だった。


「昨日はどうだったの?」

『きのうは、ちゃーはんだったよ。やさいいっぱいの。ちーね、ぜんぶたべたの』

「うんうん。偉いよ千鶴ちゃん」


今度瑠美さんにお願いする時があればきちんと千鶴ちゃんの好き嫌いを伝えておこうと思いつつ褒める。千鶴ちゃんは自分の意思で何かを伝えるのがあまり得意ではないのでこちらで察してあげるのが一番いいのだ。


『おにいちゃん。ちーね。やさいちゃんとたべるから、いいこにしてたらちゃんともどってきてくれる?』

「約束するよ。それに俺も遥香さんも千鶴ちゃんのこと大好きだからね。戻らないわけないよ」

『うん。まってる』


そうしてしばらく話すと瑠美さんの夕飯が出来たのかそこで電話はきれる。俺もベッドに座り込むとしばらくスマホを眺めてから気持ちを切り替える。千鶴ちゃんに寂しい思いをさせてまで来てるのだ。楽しんで遥香さんと思い出を作ってちゃんと千鶴ちゃんの元に帰ろうと思うのだった。




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