108 観光と下見
東京といえば
「うわぁ・・・人凄い」
あまりの人の多さに圧倒されてしまう。本日は班行動。ある程度教師が回れる範囲での自由行動が許されている。まあ、とはいっても基本的にはそれぞれ有名な観光名所を1ヵ所は指定してその付近を楽しむみたいな形になっている。
そして、俺達の班が指定したのは・・・
「思ったよりも空いてない・・・」
「スカイツリーの方が混んでそうだから来たのに意外と人多いな」
東京タワー。スカイツリーが出来てからその印象が薄くなってるように感じたので来たが、普通に人が多いのでうんざりしてしまう。東京タワーからの眺めは確かに良いけどやっぱり物足りなく感じてしまう。
「不満そうだな。黒羽がいないのが寂しいのか?」
そんなことを言ってくる雅人。吉崎は昨日のツケでいないし、この場所を選んだ班も聞く限りだと俺たちだけなのでそんな冗談を言えるのだろう。まあ、それでもある程度細心の注意を払って言う。
「それもだけど・・・どうせなら昼間に千鶴ちゃんと三人で。夜は遥香さんと来たいと思ってさ」
「ま、確かに眺めはいいわな」
「そうでござるな。昔なら夜景を純粋に綺麗だと思えたでござるが、今はその光の何割が残業の自滅の光なのかが気になるでござるな」
「斉藤。完全に野暮だぞその発言」
残業か・・・遥香さん無茶しないように注意しないとな。別に好きでやってることを止めはしないし、敬意を持って接するけど、本当にヤバい時には心を鬼にしてストッパーにもならないといけないだろう。
「そういや、この後どうする?俺は彼女と合流するつりだけど」
「拙者は愛宕神社に行きたいでござる」
「愛宕神社って出世のご利益があるんだっけ?」
「階段を登りきるとご利益があるとか。拙者は是非とも挑戦してみたいでござる」
「健斗はどうする?」
そう聞かれてから兼ねてより気になってたことを言う。
「東京タワー内にある水族館に行きたいと思ってたけど」
「そっか。なら時間決めて合流な」
「で、ごさるな」
そう言ってからさっさと移動する二人。水族館の写真だけでも千鶴ちゃんに送りたいと思ったので言ったことだが一人だと少しだけ寂しいので一応先生にLINEで連絡を取る。『時間が合えば二人で水族館行きませんか?』そんなメッセージを送ってからふいにこれはデートなのかなという発想になるが、まあ、仮にそうでもタイミング良く先生と合流できるとは思えなかったので思わず苦笑しながら俺は水族館へと向かうのだった。




