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103 初めての混浴

混浴タイム


「すぐ脱ぐから先に入ってろ」


そう言われて俺は緊張しながら木製の浴槽に入る。丁度一人から二人用といったくらいのギリギリの広さ。マナー違反ではあるけど清い関係のために今回はタオルを巻いて入浴する。


にしても、まさかこんなに早くに先生と入浴することになるとは・・・世の中わからないものだ。先ほど温泉で汗は流したので本日二度目の入浴にはなるけど、緊張でどうにかなりそうだ。


後ろでは先生が服を脱いでると思うと色々妄想しそうになるがそこはなんとか鋼の精神で耐える。


「お待たせ」

「あ、はい」

「んじゃ、入るか」


そう言ってから先生は湯船に入ると途端に二人分の体積でお湯が流れていく。しかし、そんなことよりも俺は気になったことがあった。


「あの・・・この体勢で入るんですか?」


俺の膝に乗って体を預けてくる先生。色んな意味でドキドキしていると、先生はくすりと笑って言った。


「緊張してるのか?」

「ええ、まあ。流石に女性と入浴は初めてなので」

「ちーちゃんと先に入ったろ?」

「千鶴ちゃんは子供ですから緊張なんてしませんよ」


そもそも女性と入浴するの自体初めてと言っていいだろう。一応小さい頃なら祖母と入ったことがあるくらいだろうけど、それはノーカウントと考えてやはり初めては先生なのだろう。


「しかし、なんだな。思ったよりがっしりしてて少しだけびっくりだ」

「家事とかで鍛えてますから。それに好きな人をお姫様抱っこするためにはそれなりに筋力がいるだろうと思いまして」

「真面目だねぇ。しかしこうして触れるとやはり少しだけドキドキするな」


そう言いながら腹筋や腕を無防備に触ってくるのでこちらがドキドキする。


「遥香さん、くすぐったいです」

「いいじゃないか。私としてもこうして好きな人に触れるのは楽しいんだよ」

「そ、そうなんですか?」

「お前も触ってみるか?」

「遥香さん。刺激が強すぎて無理です」


色々とその言葉で妄想しそうになるのを精一杯抑える。しかし俺は今初めてラブコメ主人公が凄いと素直に思える。あいつら日常的にこういうドッキリイベントをしていて耐えられるメンタルが羨ましい。やはり理想はラノベ主人公だろうか?


「まあ、触りたいなら止めないけどな」

「大いに興味はありますが、健全な関係のためには我慢が必要なんです」

「そうか。まあ、私は我慢しないがな」


そう言いながら俺の身体を触って楽しむ先生。俺はしばらくそれに耐えながらなんとか自分の心に負けないように精進するのだった。

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