100 燃える吉崎
馬鹿キャラすぎるのは仕方ない(^_^;)
高校生にもなると、大まかなスケジュールこそあれど、わりと旅館では自由に過ごすことができる。夕食の時間と入浴時間こそ決まってはいるが、就寝時間という概念も薄いととある先輩からは聞いた。そしてその入浴時間も生徒と教師で大きく別れているだけなので、ぶっちゃけかなり杜撰ではある。
「なあなあ、二人とも。さっき斉藤には話したんだが女子風呂覗きにいかね?」
そして、平然と犯罪行為を勧めてくる吉崎に俺は呆れながら言った。
「女の裸なんて見飽きてるでしょ?それに覗きは普通に犯罪だよ」
「馬鹿だな、健斗は。いいか?例え裸の女が目の前にいようと、シチュエーションが整ってなければ劣情を煽ることはできない。つまり、こういうシチュエーションで見るからこそ価値があるんだ。そもそも10才いかないくらいの子供が母親と女湯に入るのは良くて、なんでそこからたった数年がアウトなんだ?おかしいだろ?」
「うん。吉崎の頭がおかしいことはわかったよ」
どうしてもやりたいようだが、しかしそう簡単にはいかないだろう。
「そもそも、漫画みたいに覗けるようなことはまずあり得ないからね?あれはフィクションだから。実際には女湯との壁は高すぎるでしょ」
「ああ。理解している。最初はドローンを飛ばして盗撮を考えたんだが。流石に難しいので諦めた」
「いや、だから普通に犯罪だから」
そう突っ込んだが吉崎は気にせずに言った。
「ならばこそ、乗り越える価値がある!登山とは登りきった達成感を味わうものだ!」
「じゃあ、参考までにどうやって覗くか聞いてもいい?」
「普通に入ってから間違えた風を装ってみる。彼女の家ではよくやる手だ」
「あっそう。とりあえず彼女とクラスメイトではヒエラルキーがまるで違うことを理解してね」
「んだよ。ノリ悪いな。同級生が嫌なら年上いくか?黒羽とか隣のクラスの三峰あたりは色気ありそうだしな」
その言葉に俺は思わず飲んでいたお茶を落としそうになりつつなんとか平静を保って言った。
「何にしてもやめときなって。俺としても友人が犯罪に加担するのを見過ごせないから」
「うるせー!俺はやってやるぞ!他の連中焚き付けて突撃してくる!」
そう言ってから部屋を出ていった吉崎を見送ってから俺は先生に電話をしてこれから馬鹿が突撃に行くと伝えることにした。先生の時間まではまだあるので、雅人にも協力してもらって女子に気をつけるように徹底してもらったのでこれで一段落だろう。そう思いながら俺はお茶を飲むのだった。




