愛ある日常(MBSラジオ短編賞1)
~君を呼ぶ声~
窓を見ると
毎日聞こえる
君を呼ぶ声
僕を呼ぶ声
中々答えられなくて
気付けば時は過ぎていた
窓を見ると
毎日聞こえる
君を呼ぶ声
僕を呼ぶ声
やっと昨日答えられると
暖かい言葉が返ってきた
それだけで それだけで
今日はとても暖かい
~再会~
街風に吹かれて
この道を歩くと
春を待つ小鳥のように
暖かな夢を見た
遠い記憶のように
過ぎ去った日々
手から溢れた雫は
あの空へと消えた
辿る世界で守るもの
人の想いや言葉は紡ぐ
魔法のような時間をきっと
心はずっと求めていた
明日がどんなに良い日でも
今日この一瞬には叶わない
~ふるさと~
変わらない空
果てなき雲
くすんだ色で
僕を包んだ
変わらない空
果てなき雲
春を拒んで
寒さで震える
変わらない空
果てなき雲
いつか見た色
あの日の雨空
変わらない空
果てなき雲
晴れた先には
天掛ける虹
~今日という日に~
十重二十重の謎かけに
四苦八苦して重ねた涙
貴方はいつも見てくれた
どんな苦労も厭わずに
十重二十重の謎かけに
四苦八苦して壊れた心
貴方はいつも支えてくれた
どんな苦労も厭わずに
十重二十重の謎かけに
四苦八苦して手にした光
貴方はいつも笑ってくれた
味方のいないこの場所で
最後までずっと言えなくて
心に刺さったままでいる
今日まで私に勇気をくれた
ありがとうを今伝えたい
~珈琲と角砂糖~
甘くて苦い水よりも
心地好く軽い水がいい
黒は苦いと言うけれど
透き通るように喉を流れた
いつもと違う味がする
とても暖かな味がする
甘くて苦い水よりも
心地よく軽い水がいい
砂時計を反して待てば
君のお薦めがやってきた
いつもと違う味がする
愛が通った味がする
冬の終わりに見つけたのは
幸せを優しく包む君の香り
~愛ある日常~
幸せは見ていて気持ちが良いね
不思議と心が軽くなる
これは本当にあった
不思議な縁の物語