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三話 まてまてまて!

 投稿ペースを、週1にしてもみようかと検討値なのですが、毎日更新の方がいいですかね?



 帰宅途中、西日が俺らの背を照らす。


「~ったく、災難な一日だっだぜ…。」


 今日あった事を歩きながら思い返す。

 まず一つ、朝から姉にバリカン用意された。

 次に二つ目、琴葉が悟りなんじゃないかって思う位俺の心を読んできた。

 三つ目、大介君が脳内妄想で俺から大介君に告白していたという事実が発覚した。

 そんでもって4つ目、その大介君の兄である、真也にドロップキックされた。

 極めつけにラスト五つ目、まさかの俺がネットで有名人に。

 今までに味わった事もないような体験をしたぜ。もう二度と味わいたくねぇけどな。


「まぁまぁ、落ち込むなって」


「いやいやいや、落ち込んでなんかいねぇよ。ただ、今日という一日だけで物凄く疲れたなとな。」


「お?そうなのか?」


 歩きながら、真也は冗談めかしく俺の顔を覗く。

 …ったく、俺が望んでた高校生活と大きくかけ離れたぜ…。

 俺が理想としてたのは、降りしきる雪のような白い肌に、絹のように柔らかく、艶のある長髪に、そっと母親のような母性本能溢れ出す彼女と付き合うってのが俺の理想だったんだよ。

 なのに、どーいう訳か、俺の周りにいるのは俺が求めてたのは違った女共。酷いぜ神様よぉ…。


「そうなんだよ…、あーもう、今すぐにでも引きこもりてぇー…。」


「あーわかるわ。今すぐにでも自宅警備員になりてぇーよ。」


「それに、『キュアリー♡キュリア』の録画後2回見直さないと気がすまねぇ…。」


「お?そういえば今回はノンノン可愛いかったな」


「あー、真也も見たのか?ノンノン以上にミーアの方が萌えたけどな」


「当たりまっ…、あれ?あそこにいるのって、お前の姉さんじゃねえか?」


「ん?」


 なんて、雑談めいた話をしている途中、真也が俺の姉がいると指差す。その方向に視線を移すと、俺の家の住宅街の階段を登る姉の後ろ姿が見えた。大きなビニール袋を両手に持ったいる姉の姿を見て、俺は思わず手伝わなければという使命感に駆られた。


「あっ、真也。悪いけどまた明日な!じゃあな!」


「あっ、おい!まだノンノンの可愛さについて語り足りな…、速いなアイツ。」


 ボソッと、最後らへんは何を言っているのか聞こえなかったが、俺は急いで姉の元へと走った。

 


「一人で持てるか?」


「え?」


 颯爽と、後ろから姉の左手に持っている買い物袋を奪うと、姉が俺の存在を気付いた。


「あっ、蓮!持ってくれるの?」


「持つよ。重たいだろ?」


「うん、重たかった。ありがとう」


 ニコッと感謝の意を述べて、俺に優しい笑みを浮かべてくれた。俺も姉に笑顔で返した。


「珍しく男前ね」


「いや珍しくもねぇけどな」


「…。」


 一瞬の静寂が訪れた。

 並んで歩いていたはずの姉が、歩みを止めたからだ。


「ん?どうかしたのか」


「ううん!なんでもないよ」


 うっすらと、影のある表情をした姉は、どこか寂しそうに空を見つめていたが、俺が声をかけるとまた、何時もの姉に戻った。


「あ、今日雨降るみたいだから早く家に戻らないと!」


 と。先程までとは打って違って、俺に笑顔を向けて一気に階段を駆け上がって行った。

 は、速ぇ…。


 と、ポツリポツリと、頭上から何かが頭に当たった。

 手を出してみると、滴が手に当たった。

 だが、以前として夕陽が背中を照りつける感覚は伝わってくる。

 上を見上げると、ドス黒い雲入道雲らしきものから、滴が降り注ぐ。


「よし、帰るか」


 言い切る前に、階段を登り切った。

 そこからは、ひたすらダッシュ。とにかくあと十分は走る。走り切れ、俺。


 全速力で家に向かう途中、姉の後ろ姿を一度も見なかった。疑問に思いながらも、家につく頃には、すっかり雨脚が強まり、制服は全身ビチョビチョになっていた。


「た、ただいまぁ~…」


 玄関ドアを開けると、そこには俺に背後を向けた状態の姉がいた。


 

 雪で学校休みになれぇー…。

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