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一話 俺の話を聞いてくれ (3)

 やっと1週間?かけて、一話完成しました。


 友人に読んでもらったのですが、やはりもっと笑いを求めるべきでした。


「大介君!」


 声のする頭上へと視線を上げると、黒のランドセルを背負い、ベレー帽を被った一人の男の子(?)が心配そうな表情でこちらを覗いている。こんな醜態を見るな大介君よ。


「お兄さん…、まさか、地面と一体化するのが趣味なんですか…?」


「なにその変わった趣味?!」


 こんな格好をしているからなのか?!周りからみたら俺は地面と一体化してるようにしか見られないのか?まて、それは羞恥心でしかない。いますぐにでもたてなおさなくては…。

 とりあえずで膝を曲げて立とうとしたのだが、ダイナミック腕立て伏せでの腕が限界に達して、今度こそ地面と一体化してしまった。


「だ、大丈夫ですか…?立てますか…?」


 こんな俺に不安に思ったのか大介君。そんな優しい瞳で俺の事を見て、手を差し伸べてくれてなんて…。俺、大介君の事が…。

 じゃないじゃないじゃない。何さらっと大介君の態度に惹かれて好きになりそうになってるんだ?俺は至って普通の男子高校生だ。そんな、男を好きになるなんて事は一生かかってもならないはずだ。


「あぁ、大丈夫だ。立てる立てる」


 大介君の手をとらずに、よたよたしながらも俺は立った。

 制服についた汚れを払い、ふと、違和感というか、既視感を覚えた。

 前もこうやって、手を誰かに差し伸べられたのに、自ら拒んだあの記憶は…。


「お兄ちゃん?なにしてるの?」


「へぁ?」


 俺の背後から、つい今し方前まで喋ってたいたような声が聞こえ、慌てて振り返った。


「なんだ、琴葉か」


 琴葉もピンクのランドセルを背負い、ベレー帽を被った格好をしている。可愛い。

 あ、そうか。そういえば琴葉、毎朝大介君と登校してるって言ってたけか。


「お兄ちゃん、私の事いやらしい目で見ないで」


「いや見てねぇよ?!」


 琴葉の格好を見て回想シーン思い出しただけで、俺はいやらしい目つきになっているのか?!


「琴葉ちゃん、僕のことスルーしてない?」


 今度は後ろにいる大介君の声がした。いや、俺は危うく君の手をとってそのまま恋に目覚めそうになったから君の手を無視したが、琴葉は無視してないんじゃないか?というか、声かけたのか? 


「あ、大介君いたんだね。おはよう」


「うん、おはよう!」


 大介君が俺の隣を過ぎって、琴葉はUターンをする形に、大介君はさっき来た道を真っ直ぐに歩き、二人並んで学校へと向かおうとしている。


「あ、ねぇねぇ、そういえば大介君」


「ん?どうかしたの?」


 琴葉が大介君に話題をふったのか。俺の爪先から1メートル位先で仲良く話しているのが聞こえる。

 さて、俺も学校行かないとか…


「大介君、お兄ちゃんに告白出来た?」


またも転びそうになった。何聞いてるんだ我が妹よ?!いや、待て待て待て待て待て。そんな、はずないよな。


「ううん、まだだよ」


 まて大介君。待って大介君。なに頬赤く染めてるの?何さらっと君は「まだだよ」って答えててるの?いや、確かに告白出来た?って聞いた俺の妹も悪いさ。でも、まだだよって、告白する予定なのか?いや、予定出来ちゃってるのか?俺そんなの聞いてねぇよ?!


「あっ、でもさっきお兄さんに愛の告白されたよ」


 捏造するな捏造するな。

 まぁでも、お年頃な大介君だし、俺が君に告白というまず絶対あり得ない妄想するのは許そう。だがな、それを琴葉に俺が告白したって事を言うな。もう一度言おう。妄想は許す。だが妄想で俺がしたって事にするのやめましょうね?!

 まぁ、うちの妹は俺の事良くわかってるから、そんな捏造話にへぇー、凄いね大介君!とかは答えまい!


「へぇー!凄いね大介君!」


「でしょでしょ!」


 俺の事良くわかっていないんですねわかります!!


「あ、でも大介君」


 あーもう琴葉まで大介君に余計な事言うつもりなんじゃないのか?


 あっ、やべぇ。遅刻する!


 いやまてよ。その前に、琴葉は何を言うつもりなんだ?聞き耳立てれば聞こえるよな…?


 ゆーっくりと歩いてれば、もしかしたら聞こえるんじゃないか?


「お兄ちゃんの好きな人…ゴニョゴニョ」


 あ、琴葉のやつ。わざと俺に聞こえる風に大きな声で言って、今度は大介君の耳元かよ。

 

「そうなの?!お兄さん、そんな人を好きになるの?!」


 あーまた変な誤解された。これもう止められない。というか、止められるのであれば、大介君の誤解と妄想を止めたい。


 あれ?そういえば、今何時なんだ?朝起きたから、まだ七時半位じゃないのか…?


 チラッと左腕につけてある、今はもう亡き母からの腕時計で時間を確認する。


 あ、もう八時じゃん。ここから電車と徒歩で三十分はかかるやん。あ、これ遅刻。

 とりあえずで全速力で走らなきゃ、確実に、色んな意味で、終わる。(確信)




 聞いてくれ。

 俺の周りにいる、義理の姉美月、妹の琴葉、琴葉の友達の大介君。

 この名前を上げた三名は、どういう訳か俺に対しての扱いが違う。

 一人は、俺の事をバリカンで髪の毛剃ろうとしてたり。

 一人は、俺の事に対して辛辣なコメントと理不尽な事を言ったり。

 一人は、俺が何故か男に愛の告白をしたという妄想をしてたり。


 俺の話を聞いてくれ、どうしてこうも女共は俺に対しての扱いが酷いんだ?!

 誰か教えてくれ!


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