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一話 俺の話を聞いてくれ (1)

 一話の出だし書いてみました。


 なんか、こう、面白さが欲しい(白目)


 ヴィビビビッ ヴィビビビッ ヴィビビビビ…


 半ば無意識のうちに七時ジャストに鳴るアラームを解除する。

 普段なら、この時間帯には起きて朝食をとっている頃なのだが、今日は訳が違う。

 何故かって?

 簡単な話さ。毎週日曜日に放送されてる『キューティー♡キュリア』という、美少女が悪と戦うアニメの再放送が昨日の深夜ニ時からあっるって友人から聞いてな。観てしまったんだ。寝不足になるって事は勿論わかっていたさ。でも!見たいに決まっているだろ?!

 だから、俺は現在進行形で寝不足なんだよ。

 というわけで、俺は寝る。おやすみなさ…


「蓮~、そろそろ起きなさーい」


 下の階から俺を呼ぶ姉の声が聞こえる。だがしかし、俺は眠いんだ。睡眠をとらせろ。


「俺はまだ眠いんだよ…」


 姉に聞こえるはずもないのに、言い訳がましく呟く。


「蓮~、今から二分後に起きないと禿げるわよー」


 またしても姉の声が聞こえた。だから、俺は眠いんだって…。

 今よりも布団に深く潜る。

 それに、俺にはそんな冗談通用しないぜ我が姉さんよ。そこんとこよろしく。

 足を曲げて、胎児のような格好でそんな事を思う。

 さて、今度こそ俺は睡眠というなの深い二度寝を…。


 ドンッ ドンッ ドンッ…


 階段を上り、近付いてくる足音が聞こえる。

 マジで起こしに来やがったな…。


     ガチャ


「ほぉ~ら蓮~!二分経ったわよ!」


 扉が開くと同時に声が聞こえた。

 眠い俺を起こしにきやがって…!

 布団の隙間からチラッと姉を見る。

 いつもは腰よりも長い茶色の髪を一つ縛りにしているのに、何故か今日は三つ編みを左右に二つある髪型になっているし、これまた珍しくエプロン姿だ。初めて見る髪型も、エプロン姿も、中々似合っている。


「…ったく、しょうがないわね。」


 呆れた表情をしたと思ったら、今度は右手に持った謎の物体らしき物のスイッチを押した。


 カチッ ガァァァァァッ…


 今までに聞いた事があるような、ないような判断のつかない音がした。

 視線を音のする方向に向けると、姉が手にしていたのはバリカンだった。


「姉ちゃん?!マジで?!」


 姉の行動に思わず上擦った声が出てしまった。そのまま俺は布団から飛び起き、姉と距離をとる。


「姉ちゃんマジで俺の事禿げにするきなの?!」


「いやでも、さっき言ったじゃん?二分後に起きないと禿げにするよ~って。ね?」


「ね?じゃねぇよ?!」


 姉は自分がしている行為がさも当然のように、こちらにジリジリと歩み寄ろうとしている。

 …そうだ!忘れていた!俺が飛び起きて姉と距離をとって、今に至るというのに姉が近付いてくるのは、これをやっていないからだ!


「ちょ…お、おはようございますお姉様。き、今日も今日とで可愛いらしいですね」

 

「うん、おはよー。今日もいい天気だねー」


 俺が姉に可愛いらしいと言った事はスルーされたが、手元にあったバリカンのスイッチはオフになった。これで俺の地毛の安全は確保された。

 姉は、さっき俺が布団から出て姉と喋っていたのだが、姉はこれを起きていると判断しないのだ。

 理由を言うのであれば、毎朝おはようの挨拶をしない限り、いつまで経っても俺や妹は寝ていると認識するのだ。確か、姉が来てから一年後からだったけかな?だから、こうして言うのだが、今回は気付くのが速くて良かったと思う。


「さて、蓮は起きたって事確認出来たし、それじゃ私は下にいるからね」


「お、おう」


 とりあえず了承したって事で返事をすると、姉は踵を返して俺の部屋から出ていった。


 こんな一日のスタートでいいのかよ…。


 内心そう思いながらも、この日々が楽しくって逸る気持ちは止まらない。

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