〜第3章〜実態は異世界調査団体
〜第3章〜実態は異世界調査団体
さて、これを読んでくださっているみなさんの
年齢層はどれくらいなのだろう、
予測することしかできない。
しかし社会人として働かれているほとんどの人が
会社員を経験されているのでは
ないだろうか。
勤務条件が聞いていた話と違う、
残業代がつかない、
思っていたのと違った。
そういうことはたくさんあると思うが、
俺の「思っていたのと違った」を
上回る驚きはないのではないだろうか。
だって、普通のお菓子メーカーだと
思ってたら実態は、
異世界調査団体だったのだから。
入社式での社長の爆弾発言により、
300人ほどの新入社員はざわめき、
顔を見合わせ、困惑をあらわにした。
しかし、席を立ち入社式を
出て行こうとするものはいなかった。
なぜなら、みなが誰に相談できずとも
異世界へ行った経験があったからだ。
社長の説明によると、
この世界でのお菓子メーカーの製造販売
とは別に、
異世界へのお菓子メーカーへの製造販売、
(お菓子の名前や味は世界線によって違うらしい)
またお菓子メーカーが存在する
異世界での文化調査、材料取得業務、
その他イレギュラーな業務を
こなしている会社だそうだ。
もちろん、業界ごとに
このような異世界調査団体を秘密裏に
行なっている会社は存在しており、
その全てを政府の某秘密組織が密かに
管理しているらしかった。
勿論嘘を言っているわけではない。
業務内容の一部を公開していなかっただけだ。
でも、しかし。
う〜ん聞いてたのとは違うよな〜〜。笑笑
そして思っていたのとは大分、違う。笑
しかし、この説明を聞いても
誰1人退社するものは俺と同期入社のものの
中ではいなかったそうだ。
なぜなら、全員政府が秘密裏に事前調査して
異世界トラベルへの適性があるものしか
入社は許されておらず、先ほどもいったように
入社したものの全てが
異世界トラベルの経験をもっており、
自分が経験した異世界トラベルを
コントロールしたい、
という思いがあった。
悪い言い方をすると
お互いがお互いの弱みに付け込み、
良い言い方をすると
需要と供給があったということだ。
そして、俺は
1年前の4月3日から
某お菓子メーカー(実態は異世界調査団体)
での新入社員として
社会人生活をスタートさせた。