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萩野古参機関士シリーズ

 母の声がする。母の声は嫌いだ。母の教育が嫌いだ。何時もそうだ。ボクを認めない。認めたがらない。嫌だから、隠れる。何時もの隠れ場所に潜り込んだ。

 そこは、いつのまにか国民学校の教室に変わっていた。そして算数の授業だ。ボクは算数は嫌いだが苦手ではない。むしろ嫌いだから早く終わらせたい。そして今日のお題は…教壇に立つのは萩野機関士だった。そして黒板に大きな図を書き上げるそして問う。

『ステファンソン式弁装置の動作を述べよ』

誰も答えない。答えられない。

『貴様らはこれも答えられないのか、戦地に立つ兵隊さんは…』

 気が付けばB6の運転台に立っていたそしてまた、萩野機関士がその逆転リバーを握っていた。そしてそれを後退に入れようとして、動かない。

『おい、手伝え。』

 顔を真っ赤にしてリバーを引く萩野機関士の手に手を重ねた途端、萩野機関士の姿は消え、そして、いつのまにか自分は最新鋭旅客用蒸気機関車の機関士席に座っていた。動力式逆転機のリバーと加減弁を握ったまま動けない。

『おい、どうしてくれる。このままじゃあ急行が遅延で始末書だ。早くしろ』

そこにいるのはボクだ。だけど、この前入れ替わったようにそれはボクではなく、萩野機関士だ。

『早くせんか!』

動けない。何をどうしていいかもわかる。そして、早くしなければならないと焦っているけれど全くからだが動かない。発車のベルは既に鳴っている…


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 目が覚めた。物凄く寝覚めが悪い。今日は一日休暇だし、寝よう。

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