テンマオウ
まだまだ試行錯誤…
熱さも寒さも色も光も重さも軽さも感じられぬ…。
なにかに体が流れていくのだけはわかるが、ワシの体を動かせるのか動かせないのか、それさえわからぬ…。指すら伸ばしているのか閉じているのか…口も開けるのかどうかすらわからぬ…
ワシはシンダノカ???
………。
……。
…。
ノブナガ…いやテンマオウよ…
だれだ!?
アタマと思われるところに直接ハナしかけられておる……???
わたしはヤマと申す者。オヌシにはエンマといったほうがイイかもしれんな……
ほほう…エンマ大王か…出迎えゴクロウ…!ではワシはシンダんだな??
イチオウな…たがテンマオウ……キサマはシネん!!
ナンだと!?ドウイウコトなんだ!!
キサマはモトモト、ヒトではない………!!!!
「どういうことだ!!!」
ワシは荒々しい息の中起き上がった。熱さも寒さも色も光も重さも軽さも感じられる……。
あたりを見回すと入口ひとつのみ石で作られた壁、木の台に裸で布をかけられたワシだけがおった。
「おお!気付かれたようですね」
熱さも寒さも色も光も重さも軽さも感じられぬ…。
なにかに体が流れていくのだけはわかるが、ワシの体を動かせるのか動かせないのか、それさえわからぬ…。指すら伸ばしているのか閉じているのか…口も開けるのかどうかすらわからぬ…
ワシはシンダノカ???
………。
……。
…。
ノブナガ…いやテンマオウよ…
だれだ!?
アタマと思われるところに直接ハナしかけられておる……???
わたしはヤマと申す者。オヌシにはエンマといったほうがイイかもしれんな……
ほほう…エンマ大王か…出迎えゴクロウ…!ではワシはシンダんだな??
イチオウな…たがテンマオウ……キサマはシネん!!
ナンだと!?ドウイウコトなんだ!!
キサマはモトモト、ヒトではない………!!!!
「どういうことだ!!!」
ワシは荒々しい息の中起き上がった。熱さも寒さも色も光も重さも軽さも感じられる……。
あたりを見回すと入口ひとつのみ石で作られた壁、木の台に裸で布をかけられたワシだけがおった。
「おお!気付かれたようだな!」
入口から白髪と髭をたくさん蓄えたたくましい男が入ってきた。
「南蛮人か?ここはどこじゃ??」
「ナンバンジン?いえ、わたしはドワーフ族のハルザという。ここはエスカニア王国の端にあるモルトカ村。あなたたち、森で倒れていた。」
「イスパニヤか…フロイスがいたポルトガルの隣と聞いたな。だがなぜこんなところにおるのじゃ…京にいた筈では…」
「キョウとは??それはどこかな?わたしは知らない。ホルゴラル王国?それならこの国のとなり。」
「なぜこんなところに……ワシは京…日ノ本…いやお主らでいうジパングというところにいたんだが…」
ドワーフのハルザはそれを聞いて笑って
「いや若い方、はるか東にあるという幻の国ジパルクから来たと?ハハハッ冗談を。」
この者はワシをからかっておるのか?即座に斬り捨てたいところではあるが、こやつに助けてもらったようであるし我慢せねば。ん?そういえば気になる事を二つ申したな??ワシは苦笑いを浮かべながら
「ハルザとやら。助けていただいて礼を申す。おぬし[あなたたち]と先ほど申したな?ワシの他に誰かおったのか?」
「もうひとりいるぞ。隣の部屋でまだ眠っている。」
ハルザに案内され隣の部屋に。そこには蘭丸が台の上で眠っていた。
「蘭丸!起きろ!!」
ワシは蘭丸の頬を叩く。軽く叩いたつもりであったが蘭丸は台から吹っ飛んだ。
はて…?蘭丸はこんなに小さかったか…?十八の歳にはとても見えん。十にも満たないくらいである
「いたたたっ…大殿……」
蘭丸は涙を浮かべながら痛みに堪えている。やはり童くらいじゃ
「あれっ大殿…いつもよりお若い…髭もありませぬ…あと…ソコも…」
蘭丸は顔を赤らめている。
ワシは顔を触ってみた。たしかに髭がない。蘭丸の申すところも尾張を駆け回っていたときのように元気一杯だ。
「ハルザどの、鏡は持っておらぬか?」
「鏡?鏡ならこれを。」
ハルザが顔より大きな鏡を持ってくる。イスパニヤという国はこんな立派な鏡もあるのか。
なんだこれは…
やはりその鏡に見える若い顔。ワシなのか!?
「あなたたちの着ていたもの。見たこともない服。」
朝、寺で着ていた寝間着。炎に焼かれたはずだが白く綺麗なままだ。
「これも見たことないソード。」
蘭丸の刀とワシの愛刀、宗三左文字もある。刃を見てみたが、まったく使われてないくらい美しくある。
「あなたたち、ソルジャーか?なら助けてほしい。」
まったくワシも蘭丸もよくわからぬうちからいきなり頼み事か?南蛮人、いやドワーフ族とやらは失礼極まりないな…まあ、聞いてやって恩を売っておくのも悪くない…
「ワシは信長と申す。聞かせてみよ。」
ワシは南蛮の連中にもわかりやすく名だけにした。