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そこはめちゃくちゃ広い広場だった。

目の前には人、人、人、人だらけだった。


「よっと御使いはどこかな?」

うわっびっくりした!目の前に緋色が現れた。目の前に居るのに知らんぷりって酷いじゃないか。


「緋色、僕なら目の前に居るんだからそんなネタ面白くないよ」


「えっ、えっと・・・み、御使い?なのか?」

「エルフでも顔は変わらないでしょ、耳が尖っただけじゃないか」

「いや、お前かみ伸びてるぞ?」

「えっ?」


髪を触る。そのまま手を下に持っていくと髪がまだ続いてる。あれ?首まであるかないかの長さだったのに腰まで伸びてる!?


「なんで!?これ顔とかそのままだからネカマとか出来ない仕様だったよね!?」

「もしかしてお前女と間違ったんじゃないの。ぶっ!コンピュータまで間違うってもう才能だろ!」

「僕は男だ!」


どうなっているんだろう?まさかエラー?


「まあ、プレイに影響は出ないしいいんじゃないか?珍しいし」

「うう、一応報告しとく」


さて、気を取り直して、

「早速フレンド送るから承諾してくれ」

フレンドになりますか?yes/no

勿論yesをえらぶ。フレンド数1となった。


「じゃあ、ステータス見せ合おうぜ!」

名前レッド種族人間レベル1

職業 《剣士レベル1》《魔法剣士レベル1》《ファイターレベル1》

HP25MP50

STR25

DEF15

VIT25

DEX15

INT25

AGL20

スキル

《剣技レベル1》《火魔法レベル1》《魔法剣レベル1》《鑑定レベル1》《パンチレベル1》《便利魔法レベル1》《回避術レベル1》《補助魔法レベル1》《高速回復レベル1》《空歩レベル1》


ドヤっと聞こえそうな顔でこちらを見ている。いや、初心者にそんなのよく分かんないよ。

お返しとばかりに僕のステータスも送る。


名前ミー種族エルフレベル1

職業 《弓使いレベル1》《料理人レベル1》《雑貨屋レベル1》

HP15MP60

STR10

DEF10

VIT15

DEX26

INT30

AGL50

スキル

攻撃系《弓レベル1》

生産系《作成レベル1》《合成レベル1》《濃縮レベル1》

移動系《空歩レベル1》《壁蹴りレベル1》

便利系《選別レベル1》《解体レベル1》《スキップレベルMAX》《鑑定レベル1》


どうだ!この面白そうな構成は!


「ば、ば、ば」


驚きで声も出ないようだ。ドヤっとしてみる。


「馬鹿かお前は!なんだこのネタキャラは!」


あり?なにか問題が?


「エルフはまあいい、エルフといえば弓だし、それもいい。だが、エルフなのになんで魔法系を取って無いんだ!宝の持ち腐れだよ!しかもなんでステータスがDEXに極振りなんだよ!弓が素早くてどうすんだ!」


しかもスキルもろくなのがないらしい。


空歩、効果、空中に足場を生み出し、歩ける。

デメリット、足場がすぐ消え、タイミングが難しい。落ちたらダメージを受ける。

壁蹴り、壁を蹴り、高い所に登れる。

タイミングが難しい。降りる時は働かない。

合成・作成、時間がかかるうえに職人が作る方が早くて良い。

濃縮、物を濃縮する。

使う場面がない。時間がかかる。

選別、物を選別できる。分けてどうする。

スキップ、スキップが出来る。やってどうする。


ぜーぜーと荒い息で説明し終わった緋色はそれでも言い足りないみたいだ。


「とにかく、せっかくだから魔法習得してみろよ、まあ魔法は習得大変だけど」

「分かったよ、で、これからどうするの?」

「まだ挨拶がないから始められないぞ」


「レディースアンドジェントルメン!皆様お待たせしました!いよいよnew paradise world挨拶をはじめます!司会は私スピーカーちゃんが行いまーす!」

「「「「「「うぉぉぉぉおおおお!!!」」」」」」


舞台には小さく可愛らしい子がいた。あれ?このゲームR15だったよな。もしかしてNPCか?


「よーし、まずはこのゲームの説明だ!みんな待ってたVRMMO、だが!もし事故が起きてしまったらその未来は閉ざされる!だ・か・ら!トイレや食事をあまりにもしてないと強制的にゲームが落ちます!これはデータが保存されないからみんなこまめに休憩してね!」


「さらに!ログインが12時間以上でもきれちゃうよ!これは物理的な仕掛けなので、ログアウト出来ないなんて心配もないよ!データは保存されないからこまめにセーブしてね!」


「さらに!掲示板やホームページまでメニューにあるよ!ぜひ活用してね!」


「じゃあ長い説明書は終わり!new paradise worldはっじまーるよー!!」

「「「「「「「ウオオオオオオオ!!」」」」」」」


みんな一斉に草原に繋がる門になだれ込む。

「よしいくぞ!」「うん!」


草原にはうさぎが沢山いた。

「鑑定してみろよ。名前が分かるぞ」

「分かった」


ララビットレベル2


「よっと」

緋色は簡単に兎を真っ二つにした。

「ドロップ」

コロンと、兎の死体が消え、何かが落ちていた。


「肉と耳か。耳は薬の材料だったよな。後で売るか」

「緋色、ドロップって何?」

「実名出すなよ!倒したモンスターをアイテムに変えるんだよ」

「なんで最初からアイテムにならないの?」

「いや、お前が持ってる解体でドロップが増えたりレアが落ちたりするからだよ!」


へぇ、便利だな解体。と思っていると、


「言っとくけど実際に解体するんだぞ、このゲームR15になった理由の1つだからな?しかも時間がかかるし、失敗したらむしろ減るからな?」


そんなに否定しなくてもいいじゃないか。

いや、βからやってる緋色には僕のプレイは見てられないんだろう。僕は足枷になりたくないな。


「緋、レッド、僕はゆっくり行くから先に行っといていいよ」

「・・・分かった、だけど、いつか一緒にやるまでのレベルになれよ。待ってるからな!」


伊達に幼馴染みじゃない。僕の言わんとしてる事を理解して、遠慮なく進んで行く緋色は楽しそうだった。


「じゃあ、僕もやりますか」


兎を倒すため僕は弓を構えた。

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