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暗い森に到着!
スキル構成を戦闘向けにしておく。
名前ミー種族エルフ
HP15(+15)MP60
STR10
DEF10(+5)
VIT15
DEX40
INT30
AGL70
スキル
攻撃系
《弓使いレベル5》《早打ちレベル2》《同時打ちレベル3》《キックレベル1》
移動系
《立体機動レベル1》《壁蹴りレベル3》
特殊系
《気配察知レベル1》《気配薄化レベル1》
便利系
《解体レベル2》《スキップレベルMAX》
控え
《作成レベル2》《合成レベル2》《分離レベル1》《濃縮レベル2》《空歩レベルMAX》《擬態レベル1》《魔力操作レベル1》《鑑定レベル3》《選別レベルMAX》《選択レベル1》
これでよし、それにしても、
「うぅなんで暗いの!?暗いの苦手なのに!」
なんか出て来そうでイヤだなぁ。
「ひぃぃ!?って外套のフードか!もう!」
視界に黒い影が入ってビックリした。見えはするけどやっぱり見えにくいなぁ!ちょっと怖いから外套外しとこう。誰も居ないし。
案外なにも出なかった、よ、よかった。ボスまで一直線で着いたけどいいよね?
「がぁぁ!ぐぎゃあああああ!」
「えっ、もしかしてまだ怒ってる!?」
返事と言わんばかりに爪を振り下ろすクマ。
なんで!?もう3時間は経ってるのに!
「《立体機動》《壁蹴り》!」
とりあえずさっきみたいにクマの周りを跳び回る。
そして今度は弓を放っていく。
〜〜〜モブside〜〜〜
今日でニューパラも3日目だ。
ちょっと無理して闇の森に進んでいく。暗視で明るく見える森を進んでく。自動でボスにたどり着くみたいだけど、ちょっと観察して帰るつもりだ。ボスに1人で挑むなんてそんな英雄的なのは向いてないから、臨時パーティーでも組んで行こう。
「お、開けた場所だ!もしかしてココにボスが!?」
ゆっくりと息を殺して近づくとそこには、
上下左右に跳び回って弓を打つミーさんがいた。
「ぐ、ぐがぁ。ぐぐぉぉ」
「これでラストぉぉお!」
スパンッ!と小気味よく矢が4本刺さり、初心者キラーのキリングベアーは倒れた。
「解体解体〜♪お肉とか出るかな〜♪」
そして、ナイフを片手に持ったミーさんが、なにか呟くと、
ゴロンッ!
明らかにおかしい量のドロップアイテムが転がった。
その数17、平均の3倍以上である。
「お肉に爪、毛皮に魔石と、ナニコレ?クマからなんで剣なんかドロップするの?要らないから捨てちゃおうかな?」
はっ!?意識飛んでた。っていうか!
「レアアイテムを捨てるなあぁあ!」
「ひゃい!?」
〜〜〜ミーside〜〜〜
「レアアイテムを捨てるなあぁあ!」
「ひゃい!?」
なになに!?何が起きたの!?ま、まさかゴースト系の何か!?
「はっ!?いきなりすみません!僕です、モブです。何もそこまで怯えなくても」
「え、モブくん?モブくんだ!」
ほっとして思わずモブくんに抱きついた。
「ぐぇ!?は、速い。全く見えなかった」
「怖かったよ〜モブくんでよかった〜」
「あの、落ち着いて、離れてくれませんか?」
「っ!あ、あの、ごめん。でも、腰抜けて動けない」
産まれたての子鹿のような足を見て、モブくんは、
「ああ、【恐怖】の状態異常ですか。じゃあ、肩を貸して、も無理そうですね。しょうがない、おんぶかぁ。絶対視線が痛いよ」
申し訳ない。背負って貰ったが、ヤダコレ凄い恥ずかしい!うう、いつか僕も女の子をお姫様抱っこする側になってやる!
「それにしても何ですか!?あの戦い方!」
「へっ!?避けながら矢を打ってただけだよ」
普通に返すと、変な物を見る目で見られた。
「弓は遠くから一方的に打つものですよ!何で後衛職が、モンスターの2m以内に居るんですか!それに、解体が速すぎですよ!しかも、ボスの装備を簡単に手に入れて、簡単に捨てるなんて非常識です!」
うわぉ!モブくん、なんか凄い怒ってる!?
「なんか、ごめんね。僕あんまりネットゲームみたいなのはした事無くて、常識が分かってないんだ。出来たら教えてくれない?」
「っ!耳元で喋らないで下さい!くすぐったいです。しかもなんか柔らかいし・・・」
それから、森から出るまでに色々な事を教えて貰った。
普通は弓は近くではなく、遠距離で打つもの。その方が攻撃が来ないからだ。
解体は五分は掛かるはずなのに、3秒も掛からないのは異常だ。
ボスや特殊なMobは、稀に装備や武器をドロップする事がある。効果は高いうえに、ごく稀にしか落ちない為に、売ったら凄い額になる。
楽しく話してるうちに、少しは落ち着いてきた。そう言えば、【恐怖】の状態異常って何だろう?
「モブくん、【恐怖】の状態異常って何? 」
「恐怖を感じた時や、モンスターの攻撃によって起きる状態異常です。今はまだ見つかって無いですけど、効果は体のコントロールがしづらくなって、DEFやSTR、AGLが下がります」
「へぇ、【恐怖】の状態異常回復薬とか無いの?」
「まだモンスターも見つかって無いのに見つかってる訳無いじゃないですか」
へぇ、そんなもんなんだ。やっぱり状態異常回復薬は作ったら売れそうだね。
「それにしても、レアアイテムでも剣なんかドロップしても、使えないなぁ。どうしよう」
「売ったら良いじゃないですか。確か攻略班はドロップした剣を、4万でNPCに売ってましたよ」
「4万!?」
そんな、ポーション200個分!?なんかショックだ。
「欲しい人なら6万は行くんじゃないですか?」
「そんなにイイもんなのかぁ」
「少し見せてもらっても良いですか?」
許可なくアイテムは鑑定出来ないから、許可してモブくんがドロップした剣を一緒に見る。
鑑定
ベアーソード(ランクB)
装備条件STR15以上、VIT15以上、DEX15以上、レベル30以下
STR+20
DEX+25
MPを消費する事によって、割合でSTRが上乗せされる。(MP100%消費でSTR+STR値)
「「強っ!?」」
なにこれ怖い。効果が脳筋使用だ。
うーん、金は困って無いし、どうしよう。
「モブくん要る?」
「確かに欲し、いやいやいや!?何言ってるんですか!?そんなレアアイテム貰えませんし、買えませんから!」
「いや、店が出来た暁に7万ゴールド以上買ってくれれば良いかなって。宣伝だよ宣伝」
モブくんゲーム得意そうだからお金落としてくれそうだし。と、その旨を伝えると、
「分かりました。ありがたくお受けします」
「それにこれからも、色々教えてくれたら嬉しいな♪」
「・・・男の人が何人落とされたんだろう。怖いな」
何で笑ってお願いしたのに暗い顔をしてるんだろう?
「おい、あれみろよ。モブキャラが超美少女をおんぶしてやがる」
「マジかよ!おい、絡みに行こうぜ」
「あぁ、やっぱりそうなるよね、知ってた」
「モブキャラと超美少女って何?」
と、その時、森から出る前で安心したのか、モブくんが足を木の根に引っかけた。
「うわっ!」
「キャッ!」
スタッ!あれ?立てた!状態異常がようやく切れたみたいだ。
「よし、モブくん逃げよう」
「え、ちょ、速!?」
モブくんの首元を掴んで走る。町まで30秒も掛からないで着いた。
「何だアレは!?」
「鳥か?」
「飛行機か?」
「いや、飛んでねーだろ!?本当に何だ!?」
「あぁぁぁ!!!、ドンドン噂が広がって行きそう」
「モブくん何か言った?」
そして、アンダンテが見えてきた、けど、
「もう、疲れた、ダメだ」
「え、ちょ、アベシッ!?」
疲れて止まれず突っ込んでしまった。あ、モブくんが下敷きに!
「ご、ごめん!ポーションあるから取ってくれる?」
「痛っ!こ、コレですか」
ポーションを取って貰って、振り掛けると、ポーションが2人を回復させた。
「は?!15%回復!?何ですかコレ!?」
「僕が作ったポーションだよ?」
「もしかして、βテスターですか?」
「いや、始めて3日目の雑貨屋さんです」
何か納得いかなそうな顔をしてたが、開店したら来ますと言って帰っていった。
ふう、ボス倒したから次の町に行こうと思ったけど、いいか。今日は毒薬作って終わろう。