パチュリーの日記
このごろレミィが思い詰めたような顔をしている。
いつも能天気な顔をしているレミィだが妹の事となると急に心配そうな表情を浮かべる。
レミィに話を聞いてみた所、フランがこのごろ変だという。
元からおかしいだろと思いつつフランの部屋を覗きに行く。
地下室の階段をおり、扉を開くとフランがいた。
虚ろな表情で虚空を見ていた。何をするわけでもなく、ただ眈々と。
私はゾッとした。フランの目には生気が全くもって無い。あれは…あえて表現するならば「闇」。この世の全ての絶望を固めたような闇が篭っていた。
フランはちらとこちらをみた。
そしてこう呟く。
「ねぇ、喰べていい?」
…私は100年以上生きてきてるけれどあんなに恐ろしい思いをしたのは初めてだ。
私は逃げるように扉を締める。
親友の妹という事は分かっている。だが…
私の魔法使いとしての直感が囁くのだ。
あいつを殺せと。危険だと。紅魔館の敵になるぞと。
だが、レミィにその事を話すのは流石に怒るだろう。それは私だって怒る。
そういえばフランの目の「闇」はどこかでみたことがあるような気がする。今度大図書館で調べてみよう…
もやしさんの日記。
闇は静かに、けれども確かに。