勇者は、必要異常に脳筋ですが、何か?
読みにくいところがあったりしたので書き直し、加筆ました。
「ここは、どこだ?」
眩しい光に包まれて気がつくと知らないフードと言うかローブと言うかコスプレか!って言う人たちに囲まれている。
その中には見知った顔もいる。
俺には、親友がいた。
そいつは、一ヶ月前にいなくなり友達と、親友の両親も必死に探し回った。
もちろん俺もだ。
しかし、今、そいつが、目の前にいる。
今、目の前の光景に、おれは、頭が痛くなった。
「よ!和樹」
ついでに殺意も抱いたことは内緒だ。
のんきに話す。そいつに現状把握の為に話しかける。
「浩輔か?」
「おう!」
あまりにも軽い返事に、イラっとしたが、二度目の殺意は、がんばって抑えることにした。
「お前。まあ、格好はあれだが無事で何よりだ。」
格好と言うと、今の浩輔は、金髪に金色の目。
そして、勇者かって思う位にかっこ良く赤に統一された服装。
確か。お前日本人だったよな・・・。と思ったことは言うまでもない。
「お前も今から着るけどな。」
そして、全く知りたくなかった事実を知ることになる。
「は?」
浩輔に説明を求めてきいた結果。
ここは、異世界で、あいつは勇者らしい。
はあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー。
っていいたくなるが。
いや叫んだけどね。
うん。
ソウナンダ。ガンバッテ。
としか言いようがないのだが、ここで問題が発生したらしい。
それは、浩輔が必要異常にバカだった事だ。
バカは、使い勝手がいいのでちょうどいいと思うのだが、俺的には。
なにやら、関連儀式やら式典の礼儀作法が出来ないらしい。
「いや、勇者なんだからいらないんじゃね?」
っと思ったやつもいるだろう。
俺も同意見だ。だがダメらしい。
で。『どうやったら、覚えられますか?』っときいたら
「和樹なら出来る。」
と言いやがったらしい。
そこで、さすが。異世界に行っても、顔がいいのに残念な超人と呼ばれるだけはある。
まあ、呼んでるのは俺だけだが。
間違っちゃいけないのは、『運動神経がいい。』じゃなく。
『運動神経だけ進化をした人類』
と俺は呼んでいたのだが。
その運動神経だけ進化した人類の浩輔が、まさかの勇者だったとはさすがというか。
世界は、広い。いや、異世界は広い。
そして、そこで浩輔は、思ったらしい。
「俺が来れたんだから、和樹も呼べるだろ。」
魔術師のみなさん曰く。
「それは、それは大層なキラキラスマイルで言われまして。純真無垢な子供のような笑顔で言われると。・その・・・否定出来なくて・・・」
そこは、俺の人生が、かかっているので是非否定して欲しかった。
そこから魔術師の皆さんの研究が始まったらしい。
まず、和樹と呼ばれる俺の情報から始まり。
たまたま召喚した時に着ていた服に俺の毛髪らしき物がついていて、足りない魔力も浩輔が補い。
浩輔の呼びかけによりおれは、召喚されたらしい。
そして、そこには思わぬ副産物が
「和樹様の武勇伝。聞いております。魔王の様なクミチョーっと呼ばれる人物と渡り合い。生徒会と言う。組織を束ねてらっしゃる。聡明な方だそうで。勇者様の先生だとお聞きしてます。」
んー。なんか変な誤解が発生しているような気がする。
そして、何故か。
なんか信仰の対象みたいな目で見られてます。
ほんと。だからって、無関係な俺を呼ぶなって話なんだが、その思考は、もう幼稚園の時に諦めている。
何故かって?
それは、こいつがいつも俺を巻き込むからだ。
幼少期のことは、省くが、俺たちの小さな冒険は、小さな冒険では収まらなかったっとだけ伝えておこう。
そして、中学では、この勇者様が考えなしにヤクザのお兄さんと喧嘩になって、どんどん深刻化して行った挙句。
何故か。本当まさかの組織壊滅?
ってなったのを無駄に命狙われることをすんなと。組長さんに話をつけに行ったり。あの時は、まじ怖かった。
そして、教師でも教えることが出来ないこの馬鹿なこいつに数式を教えたことに由来している。
「君ぐらいだよ。瀬野君に数式を教えることができるのは!!」
っと教師が涙ながらに感激していたことは言うまでもない。
ついでに瀬野って言うのはこの勇者様の名字です。
そして、そのおかげ?か。おれは、面倒見が無駄に良いって言うことだけで生徒会長をやらされることになったという事だけなのに。
で!現在。俺は、式典の動作を一つ一つこいつに教えている。
「いいか。この顔。この顔をまず覚えろ。」
俺が、ビシッと指差しているのは、この国の王様の肖像画。
「あの・・・指を指すのは・・・」
俺を注意しているのは、本来の世話役を担っている。フォードさん
「うん。この顔だな」
「よし。で、次にこの顔をみたら、顔を伏せ。片膝立てる感じで。はい。フォードさん。」
「は、はい。」
そう言って、フォードさんに見本を横でやってもらう。
「いいか。この体制で。「顔を上げよ」って言われるまで上げるな。」
「なんで?」
そう皆ここで。答えてしまう。
この顔でなんで?って聞かれたら答えてしまうだろう。
そこが罠だ。
子供は、なんでも知りたがるって言うが、こいつはこの年でもまだなんで?なんで?っと言う。通称『なんでなんで?攻撃』をしてくる。
だから、王の前で勝手に許可なく顔をあげることは出来ない。それが礼儀だから。っとか言っちゃいけない。
答えは、決まっている。
「しらん。」
「そっか。和樹でも知らないのならしょうがないな。」
ついでにフォードさんは、苦笑している。浩輔の無駄に俺への信頼が厚いのは、幼馴染だからだ。
「じゃあ、続きだ。で、顔を上げたらフォードさんが合図するから。剣を掲げて。「この剣に誓って魔王を倒してくると誓おう。」はい。復唱。」
「「この剣に誓って魔王を倒してくると誓おう。」」
「はい。よく出来ました。じゃあ、今度は、一人で最初から。ああ、歩いてくるところからね。」
「おう。」
そう言って、駆け足で出て行く勇者浩輔。
それを遠い目で見送るフォードさん。
「私の・・・一ヶ月が・・・・」
そう呟いたフォードさんの言葉を。俺は、聞こえないふりをしました。
ついでに食事のマナーから、初期魔術。魔法剣の発動の仕方などなど。
「流石です。和樹様。」
こう褒め称えるのは、この世界の魔導師さん。本当に教え上手な人です。
ついでに、この世界の基本魔法って言う魔道書を作った方で、膨大な量を一気に習得できる簡単お手軽な本らしいのだが、一気に情報量を頭に詰め込むので知恵熱で3日寝込んだり、一ヶ月寝込む人もいるらしい。
そんなお手軽な魔道書だが、勇者浩輔は、本人が寝込むではなく。魔道書が寝込んだらしい。
魔道書が寝込むかって?
魔道書がこっちの世界では喋るらしい。召喚獣みたいな扱い?らしく。本に契約した精霊を住まわせるらしい。
で。現在進行形でただいま寝込んでらっしゃるらしい。
触ったら、本の施錠部分が熱くて触れないくらい熱いらしい。
本当。あいつなにやったんだ。
だから、俺は、仕方なく初期魔法を魔導師さんに教えてもらい。
この国の文字も習慣も魔道書で習得済みだ。
なんでか知らないが、言葉は、通じるし。
そして、ついでとばかりに中級魔法も魔道書で習得しといた。
そして、さっき褒められていたのは、そんな魔道書を寝込まずに。今、何冊も片っ端から、詰め込んでいるからだ。
今、俺がこんなにも努力させられているのは、それもこれも、原因は、こいつがきっと脳筋だからに違いない。
「さすが。和樹だな。」
そう、当たり前のようにつぶやく勇者様に。
「お前の脳みそはどうやって出来ているか知りたいよ。」
ふと、つぶやく俺。
「肉じゃないのか?」
うん。返す言葉が見当たらないよ。浩輔・・・。
そうやって、3年が過ぎました。
「もう、魔王を倒す旅に出てもいいんじゃないか?」
っと言う言葉を受けて旅立っていった浩輔は。順調に魔大陸に横断して居たはずだった。
「どうして、お前がここにいる。」
目の前には、帰還陣の中に勇者浩輔とその仲間たち。
「浩輔。魔王がどれかわからない」
「は?」
「いや、なんか似たようなのがたくさん居てな。どれが魔王かわからなかった。そういえば顔を知らなかったと思って。和樹にきいてみようと思って戻ってきた。」
「・・・・そうか」
どうやら、俺の苦難は続きそうです。
こういう小説あったらいいなー。的な。
感じで書いたので基本適当な設定なので深く突っ込まないでくださいねー。
質問あったので、魔導書さんのその後
「ああやって、こう。そうそう。ズバーンって感じ?わかる?」
「こうか?」
「そうそう!よく出来ました。」
今目の前になにやら、精霊と呼ばれる物が、半透明のちっちゃい体で本の上で手を突き出し。ポーズを決めながら「ばーん。」と言っている。
見た目羽の生えた人間?ピーターパンに出てくる。妖精みたいだ。
本来ならば。本の中で対話する?と言うか。教えを乞うはずなんだが・・・・。
「本が進化した・・・」
「いや、あれは、退化だろう。」
擬音ばっかりで説明して通じるやつなんて、あいつだけだろう。
勇者専用魔道書の完成した瞬間だった。