脱走の構想
「とりあえず、昇降口は駄目……と」
場所は変わり、四階男子トイレ。こういう、本来授業をしている時間中で他に聞かれてまずい話をするには、授業時間中は訪れる人間の数が減るトイレが最適だという判断からだ。
……まあ、本来授業をしている時間にこんなことしてる時点でおかしいと思わないでもないが。
「ええ!? 昇降口からは駄目なのか!?」
……こいつは相変わらずの馬鹿なようだ。
「お前は馬鹿か? 馬鹿なのか? 今は授業中だぞ?」
「授業中……? ……ああ! うるさくして授業の邪魔になるといけないからか!」
「ちげーよ!? なに要らないところで真面目さを発揮してんだよ!」
まさかここまで手遅れだったとは……流石の俺も引きそうだ。こいつ、ここまで酷かったっけ?
「分かるか!? 今が授業中ってことは、もう俺らが授業を受けてないってことが知られてるってことだ! 誰にも保健室に行くとか、もっともらしい言い訳は言ってないからな……。恐らくサボりだと思われてるだろう」
「ふんふん。それで?」
「……ここまでで察してくれてると思ってた俺が馬鹿だったよ……」
それはもう、高須日光輝という人間並みの。
「よーするに、だ。俺らの学校は異様なまでにサボりに厳しいだろ? だからもう、俺らがサボっ……もとい。名誉ある脱走を試みていることはバレバレだ。ということは自然、生徒指導の【魔神】が巡回及び張り込みを行っているのは自明の理、ってわけだ」
「おお! だから警戒の度合いが高い昇降口は使えない……ってわけか!」
「やっとこさ『ざっつらいと』だよ高須日くん……」
本当、もう少し頭が切れても良いと思うんだけどな……。
「それじゃあ……どこから脱出するんだいホームズ?」
「ふっ……。それは僕に任せてくれたまえよワトソンくん。今から僕が言うことを、そのツルツルな脳みそにしっかりと刻み付けてくれたまえ」
「……ホームズってそんなに辛辣なヤツだっけ?」
というかまず、ホームズは脱走の計画なんて立てないと思う。明らかにこれはルパンの役割だろう。
◇◆◇◆
「それはそうと誠一さんよ」
「今度は一体なんだ?」
「いや……。なんで俺ら男子トイレで話し込んでるのかな…って。人気の無い所なら屋上でも良いだろ?」
「そりゃあお前……。現実的に考えればこそだろ。漫画やらアニメやらのフィクションと違って、現実の屋上はまず立ち入ることすら不可能だからな……」
「ああ……。なるほど」
はい。
だいぶ前回の更新と間隔が空きましたが…いかがでしたでしょうか。8話目をお届けさせて頂きました。宅配テロもかくやと言わんばかりの所業ですね。こんな駄文をお届けするなんて…迷惑を通り越して法に接触でもしそうです。
……自分でも何を言っているのか分からなくなってきたので、話を戻します。戻す話もくそも無いですが。
今回は一応、中編という位置付けの話ですが…
なんとこれ、中編(その1)なんです。
え?なんで(その1)なんて付けてるかって?
そりゃあ…これからその2その3と続くからですよ。中編が1つだけ…なんて僕は言ってませんからね!←
…すいません。冗談です。
えと、本当の事を言うなればですね…。
僕は作品を書き上げる上で、『ちょっとした空き時間にサクッと読める』をコンセプトとして意識しているんですよ。ええ、本当ですとも。
だからこその、このボリュームなのです。
……ああ。これじゃあ解決になってないや。
――要するに。
『1つ1つの短さを意識するからこそ中編が幾つもできてしまった』
ということなのですよ。……大丈夫ですよね?僕の言いたい事、ちゃんと伝わってますよね?
とまあ。こんな感じです。
中身の無いことを延々グダグダと書き綴ってただけのように見えますが……これだけは言わせて下さい。
この異様に長い後書きは、本文の短さをカバーするためじゃあないです!
それでは……今回はここで、打鍵の手を止めさせて頂きますね。
願わくば、今後もまた皆さんのご慧眼に叶いますことを祈りつつ――。
最後に…。
ほんと遅筆で申し訳ありません……。