過ぎ去る騒乱、そしてto be continue...
「つ……つかれた……」
風呂上がり。本来ならば疲れは取れているはずの時間帯に、俺は何故か疲れきった状態で自分の部屋にいた。
「ったく、沙菜のやつ……」
疲れの原因は勿論、沙菜。主に、その行動にあった。
というのも、沙菜が「んー? どうしたの、ひとの肌なんかじろじろ見て? ……もしかして、触ってみたかったりする?」とか言いながら、同じく浴槽内にいる俺へと身を擦り寄せてきたのだ。
……肉親にやましい感情を抱いた訳では無いが、なにぶん沙菜の肌は新雪のように白く、すべすべとしている。
そんなきめ細やかな肌を擦り付けられると……。正直、多少の動揺は隠し切れないのが事実。結果、それをネタに風呂を上がるまで散々からかわれてしまったのだった。
「……とりあえず、寝るか。こんな時間だし」
そこで一旦、思考を中断。年下にからかわれた情けなさは心の奥底に押し込む。
「 休みはまだ当分先……か」
今日は火曜日だった。そして、いつの間にこれだけ時が経ったのかは分からないが、あともう少しで水曜日になる。つまり、日付が変わろうとしているのだ。
それに加えて、明日も平日。登校日なのだから、これ以上の夜更かしは避けたい所。
「明日は、今日以上に大変かもなぁ……」
恐らく、今日一連の沙菜騒動以上に、明日の学校は騒がしくなるだろう。沙菜は基本的に今日のような事はしない(逆に言うと、何故今日いきなりあんな態度を取ったのかは謎なのだが)出来た子だが、学校には常に騒乱の種になるような人間がいるのだから。
そんな事を考えながら部屋の電気を消し、ベッドに体を沈め、俺は今日という1日に終止符を打った。