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放課後の図書室

ビスクドールの番犬

作者:
掲載日:2013/06/09

本編の主人公・凛子のクラスメイト、悠里の独白形式です。お暇なときにでもどうぞ。




凛子と話すようになったきっかけは、単純に席順だったと思う。



高校入学後、苗字の関係で凛子と前後の席になった。

お互いに中学からの知り合いがいなかったから自然と挨拶や授業のことを話すようになって、そのうちお昼も一緒に過ごすようになったの。

彼女は本が大好きで、よく面白くて読みやすい本を貸してくれたりする。その中でも特にわたしのお気に入りは高校の陸上部がインターハイを目指す話かな。


今までずっと陸上をやってきたせいか、付き合ってきた友達は体育会系の子ばかりだった。

文科系の静かなタイプの子とは必要最小限度しか話したことがなかったけれど、不思議と凛子とは波長が合うみたい。何より変な気遣いも要らないし、相談にも乗ってくれるから頼れるお姉さんってところもある。


それに、凛子って本当にお人形さんみたい。

初対面なのにきゃーきゃー騒いじゃったのよく覚えてるわ。びっくりさせちゃったかも。

真っ直ぐな黒髪、お目々は猫みたいだし鼻はすっと高いしちょこんと綺麗な唇が乗っていて、小さい頃遊んだ西洋人形を思い出させる。

なのに本人は全く自覚がないんだから困っちゃう。クラスの男子が隙あらば狙ってるものだから、必死にガードしてる———凛子はわたしのものだからってね———うふふ、綺麗なお姫様を守るナイトなの。



だけど、最近そんな凛子の様子がおかしい。


今までより頻繁に別棟の図書室に通っていて、しかも二年の春休み以降に増えてる。

元々彼女は成績優秀なんだけど、三年に上がってからは特に現代国語に力を入れるようになったし。

現代国語の先生は学校で一番若い教師で、授業も分かりやすい。何より、凄く格好良い。

眼鏡の奥の涼しげな目元とかさらっとした黒髪とか、鼻筋が通ってて長身でスタイルが良くて、何でこんなモデルみたいな人が教師してるんだろうってくらい。

だから自然と女子の人気が高いんだけど、凛子ってそういうミーハーなタイプじゃないからなおのこと現代国語を張り切る理由が分からなかった。



でも、あるとき気が付いた。


あの子の先生を見る目が輝いてた———ああわたしのお姫様が、ついに王子様に恋したのねって———

その時からお姫様と王子様をくっつけようって思った。こういう物語はハッピーエンドって決まりよ。


一年生の時は、先生が授業担当ではなかったから挨拶程度の仲だったと思うの。図書室で先生と凛子が話していたのをわたしは知っているけど。わざと割って入っちゃったけどあの時は本当にパフェが食べたくて仕方なく、っていうのはいいとして。

でも本当に、ちゃんと話してるのはそれくらいしか見たことがなかった。


二年の春休みに美術部の活動があったみたいで、帰り際に先生に傘を借りたと聞いた。それのちょっと前には私物の本を借りたって。

わたしが知らない合間の出来事だから詳しいことは知らないけど、「何か」あったのは確か。

だって春休み明けの新学期、凛子が物凄くやきもきしててどうしようって表情だったもの。


ああもう。どうなったか詳しく聞きたくて聞きたくて仕方ないのに、凛子ったらシャイで全然話してくれない。

相変わらず二人は別棟の図書室によく居るみたいなんだけど、わたしも予備校通いと部活で忙しくってこっそり覗く暇がないし。かといって先生に直接聞く訳にもいかない。



でもここで問いただすのもどうかと思って、辛抱強く待つことにした。

だって、今まで全く異性の噂がなかったお姫様、クラスの女子会でも恋愛話に入ってこなかった凛子が、ついに初ロマンスよ。

それに相手があの先生だなんて。

格好良いし授業も面白いし何より大人だし、きっと凛子を大きく包み込んでくれる筈。

あの子を預けるには文句なし。


ね。あとは凛子がわたしに報告してくれるだけよ。

でも、いつか、そのうちかしら。何があったか教えてくれるわよね。

だって、一番の友達だもの。


わたし、ずっと待ってるわ。

凛子、待ってるからね!


本編でも暴走気味ではありましたが、番外編では本編以上にお喋りで暴走列車な悠里ちゃん。

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