表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された悪役令嬢、辺境で植物魔法に目覚める。銀狼領主の溺愛と精霊の加護で幸せスローライフ!〜真の聖女は私でした〜  作者: 黒崎隼人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/22

第19話「赦しと新たな未来へ」

 戦いが終わり、静けさを取り戻した森で、ユリウスはカイルとリリアの前に進み出ると、深く、深く頭を下げた。


「リリア嬢……そして、ファングクラウ殿。本当に、申し訳なかった。私の愚かさが、君たちと、この土地の人々を苦しめた。王国を代表して、心から謝罪する」


 その姿には、かつての傲慢な王子の面影はなく、自らの過ちを真摯に悔いる一人の男の姿があった。


 リリアは、複雑な気持ちで彼を見つめた。


 彼に追放された日のことは、今も忘れられない。


 簡単に赦すことは、できない。


 でも、彼が自らの過ちを正すために、ここまで来てくれたことも事実だ。


 彼のおかげで、これ以上誰も傷つくことなく、戦いを終わらせることができた。


 隣を見ると、カイルが静かに頷いた。


 彼もまた、領民たちの平和な未来を、何よりも優先したいのだろう。


「……顔を上げてください、ユリウス殿下」


 リリアが静かに言うと、ユリウスは恐る恐る顔を上げた。


「私は、あなたを完全に赦すことは、まだできません。でも、あなたが真実を明らかにしてくださったこと、そして、これ以上血が流れることを防いでくださったことには、感謝しています」


 それは、リリアなりの精一杯の答えだった。


 ユリウスは、その言葉に救われたように、わずかに表情を和らげた。


「償いとして、とは言えないかもしれないが……」


 ユリウスは、一つの提案をした。


「王国は、この魔狼の森を、カイル・ファングクラウ殿が治める独立自治領として、その主権を正式に認める。今後、王都からのいかなる内政干渉も行わないことを、ここに誓う」


 それは、事実上の和解であり、辺境領の独立宣言だった。


 カイルは、リリアと民の顔を見渡し、そして力強く頷いた。


「……その提案、受け入れよう」


 こうして、魔狼の森と王国の間に、新たな関係が築かれることになった。


 王国軍は、捕虜となったセレーネを連れて静かに撤退していった。


 すべてが終わり、緊張の糸が切れたリリアは、どっと押し寄せた疲労から、その場にふらりと倒れ込みそうになる。


 その体を、カイルが優しく、しかし力強く支えた。


「リリア! しっかりしろ!」


「カイル……」


 彼の腕の中で、リリアは安心しきったように意識を失った。


 カイルは、愛しい婚約者をその逞しい腕に抱き上げると、領主館へと歩き出す。


 その背中を、獣人たちと、そして、森の木々が静かに見守っていた。


 長い戦いが終わり、魔狼の森に、本当の平和が訪れた。


 これからは、自分たちの手で、新しい国を、未来を、築いていくのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ