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追放された悪役令嬢、辺境で植物魔法に目覚める。銀狼領主の溺愛と精霊の加護で幸せスローライフ!〜真の聖女は私でした〜  作者: 黒崎隼人


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第17話「魔狼の森、決戦の火蓋」

 数日後、王国の追討軍が、黒い鉄の塊となって魔狼の森の境界に姿を現した。


 その軍勢の中には、聖女として自らの力を誇示するためか、純白の鎧をまとったセレーネの姿もあった。


「全軍、進め! 反逆者どもを一人残らず殲滅せよ!」


 号令と共に、王国軍の兵士たちが鬨の声を上げ、森へと侵攻を開始する。


 迎え撃つのは、カイルを先頭に立った獣人族の戦士たちだ。


 彼らは地の利を活かし、森の木々を巧みに使って奇襲を仕掛け、勇敢に戦った。


 カイル自身も、銀色の狼と化して戦場を駆け、その爪と牙で次々と敵を屠っていく。


 しかし、王国軍の数は圧倒的だった。


 さらに、獣人たちを苦しめたのは、後方から放たれるセレーネの「聖なる光」だった。


「聖なる光よ、不浄なる者どもを打ち払え!」


 セレーネが杖を掲げると、天から降り注いだ光の矢が、獣人たちを容赦なく打ち据える。


 それは治癒の力とは程遠い、ただの破壊の光線だった。


 その攻撃に、屈強な獣人戦士たちも次々と傷つき、倒れていく。


「カイル様!」


 味方が劣勢に追い込まれていく様子を見て、後方で待機していたリリアは意を決し、前線へと駆け出した。


「リリア、危ない!」


 カイルの制止の声も聞かず、彼女は戦場の中心、王国軍の目の前に立つ。


「まあ、無様に死にに来たのね、リリア!」


 セレーネが嘲笑う。


 だが、リリアは彼女を見据え、静かに大地に両手を当てた。


「この森を、これ以上傷つけさせはしない……!」


 リリアの想いに応え、大地が咆哮した。


 ゴゴゴゴゴ……! という地響きと共に、王国軍の目の前の地面が裂け、そこから巨大な茨の蔓が天を突く勢いで生え出した。


 蔓は瞬く間に絡み合い、兵士たちの背丈を遥かに超える、難攻不落の城壁を形成する。


「な、なんだこれは!?」


 突然出現した茨の壁に、王国軍の進撃が完全に止まった。


 リリアの力は、それだけでは終わらない。


「咲きなさい!」


 彼女の号令で、茨の壁に植え付けられた無数の花が一斉に開花し、甘く、しかし強力な眠りを誘う花粉を撒き散らす。


 最前列の兵士たちが、次々とその場に崩れ落ち、深い眠りについた。


 さらに、地面を這う蔓が意思を持った蛇のように動き出し、敵兵の足に絡みつき、武器を奪い、身動きを封じていく。


 辺境の森そのものが、巨大な要塞となり、リリアの兵士となって王国軍に牙を剥いたのだ。


「魔女め……! 小賢しい真似を!」


 セレーネは怒りに顔を歪め、杖をリリアに向ける。


 戦場は、二人の特別な力を持つ女性の対決の舞台へと、その様相を変えようとしていた。

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