表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

2ストロークエンジン

翔太郎はガレージの中でSJ30ジムニーのボンネットを開けた。エンジンルームからは、かつての懐かしい香りが漂ってきた。2ストロークエンジンの特徴的なオイルの匂いだ。


「懐かしいな…」翔太郎はつぶやいた。彼が初めてこのエンジン音を聞いたのは、小学生の頃だった。父親がこのジムニーで山道を駆け巡っていた記憶が蘇る。


「このエンジン、本当に手強いんだよな。でも、あの音が好きだったんだ。」翔太郎は工具を手に取り、エンジンの点検を始めた。さびついたボルトを外し、パーツをひとつひとつ丁寧にチェックする。


「お前も大変だったんだな、長い間放置されて。」翔太郎はジムニーに語りかけるように言った。


エンジンを分解しながら、翔太郎は父親との思い出が次々と浮かんできた。父親と一緒に過ごした日々、山の中でキャンプをしたこと、ジムニーの故障を直すために二人で汗を流したこと。


「もう一度、あの頃のように走りたいな。」翔太郎は決意を新たにした。ジムニーを再び元気にするために、全力を尽くすことを誓った。


エンジンの修理作業は続く。翔太郎は集中して一つ一つのパーツを清掃し、交換が必要な部分を見極めていく。その間にも、2ストロークエンジンの独特の音が耳に残り続けた。


「これでよし。」最後のボルトを締め終えた翔太郎は、深呼吸をしてからエンジンをかけるために運転席に座った。キーを回すと、ジムニーは一瞬静かになり、次の瞬間、特徴的なエンジン音が響き渡った。


「よし、これでまた一緒に冒険できる。」翔太郎は笑顔で言った。


ジムニーの2ストロークエンジンの音が、再び彼と共に新たな冒険の始まりを告げていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ