9 物件紹介〝ボスの間〟
階段を降りると、荘厳な景色が広がっていた。
なんということでしょう····
広い天井一面に下がる鍾乳石が、隙間に埋まっている鉱石の発する光を受けて鈍く光る····。
窪みに溜まった水は鮮やかな青に光り、奥には玉座を置くであろう台まで備えられている。
「す、すげええぇ····」
めちゃくちゃ神秘的な洞窟になってる····。
神秘的すぎてもう布団敷いて寝られねぇわ。
そこそこ大きな市民プール並の敷地一面に鍾乳石が垂れ下がり、淡い照明が静かに辺りを照らす様は、まさに圧巻だ。
「ほえー····ん?」
気がつくと、俺の後ろにいたダンジョンコアは玉座置き場(仮定)のすぐ横にピタッと止まった
そこが定位置なのか·····。
よし、ボスの間は確認したし、次は·····
洞窟を進み、ダンジョンコアをタップする。
これだ····‹サポート›だ。
新しく追加された項目をタップすると、‹アイテム›の時と同じような検索バーが出てきた。
‹サポート›
検索[ ]
知りたい事を検索すればいいのか。
···じゃあ‹サポート›機能がどんなものか調べてみるか。
検索欄に[ サポート機能 ]と打ち込むと、その下に説明が出てきた。
えぇなになに·····?
‹サポート›
検索[サポート機能]
【 サポート機能は、このダンジョンコアに備えられた機能の一つです。打ち込まれたキーワードを元に、この世界に存在するスキル、魔法、等の常識的な知識を表示します。】
なるほど、要はGoo〇le大先生の異世界版か。
大抵の事は知ってるけど、逆にとてつもなくマイナーなものは分からないと·····。
他に調べるのは····[ 称号 ダンジョン運営者 ]、検索っと····。
【⠀〈ダンジョン運営者〉は、ダンジョンを運営する者に与えられる称号です。この称号を持つ者だけが、ダンジョンコアを操作する事ができます。】
やっぱりこの発光体はダンジョンコアだったのか。
じゃ、次は新しいスキル〈魔窟の王Lv1〉だ。
【⠀〈魔窟の王〉は、ダンジョンの主が持つパッシブスキル。自分のダンジョン内に生息する全てのモンスターの固有スキルを取得する。取得するスキルレベルは、ダンジョンレベルに比例する。】
·····。
····ツヨっ!!
めっちゃいいスキルじゃん!
まぁでもダンジョンマスターが普通のモンスターより弱かったら話になんないもんなぁ····。