25 ハゲ坊主アゲインッ
ハゲ坊主が少し離れた所で、ルーレットの的をクルクル回す─────
「当たりは魔法攻撃無効のチートスキルにしておいたよ。さぁ、頑張りたまえ!」
ッ!·····やるしかねぇ····。
手渡されたダーツを振りかぶって投げる────
的目掛けて一直線に飛んで行ったダーツが、サクッという音を立てて刺さる。
さぁ····どうだ?
的の回転がゆっくりと止まる·····
「ま、まさか·····」
完全に停止した的を見たハゲ坊主がポツリと呟く
「に、二等賞····だと!?」
二等賞?
よ、よっしゃぁぁ!
見たかハゲ坊主!
どうやら俺はラッキーボーイのようだ·····。
的の、二等と書かれた部分がクルリと回転する。
裏に書かれていたのは·····
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二等賞 3点セット
・〈口からビーム〉LvEXTRA
・〈怒った時体から雷出すやつ〉LvEXTRA
・〈特殊衝撃波〉LvEXTRA
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くっ·····微妙だ····でも嬉しい····。
いや、めちゃめちゃ嬉しい·····そしてそんな自分に腹が立つ····。
「悔しいが、スキルの説明をしよう·····」
【〈口からビーム〉·····口から強力なビームを放つ。クールタイムは1日。】
【〈怒った時体から雷出すやつ〉·····ビリビリとした小さな雷を体の表面に出現させる。
特に意味は無い。
静電気で髪が逆立つので、使った後はセットが必要。】
【〈特殊衝撃波〉·····特殊な衝撃波。接触した無機物にヒビを入れ、空気を震わせる。
生物には効果が無い。】
····分かってはいたが、どうやら口からビーム以外はネタ技のようだ。
いや、口からビームも十分ネタ技か·····。
酷い話だ。
〈〈二等賞 3点セット〉を取得しました〉
「うん、これで完璧だね。じゃ、これで·····スピード坊主はクールに去るぜ····」
ローブを翻したハゲ坊主が、バシッという音と共に消えた。
え?嘘だろ?
もう帰ったの!?