プロローグ
こちらは銀河夢幻伝シリーズ第5弾となります。
第一弾【銀河夢幻伝サジタリウス】https://ncode.syosetu.com/n8095hd/
第二弾【銀河夢幻伝スコーピオン】https://ncode.syosetu.com/n8142hd/
第三弾【銀河夢幻伝オフィウクス】https://ncode.syosetu.com/n8154hd/
第四弾【銀河夢幻伝オリオン】https://ncode.syosetu.com/n8580hd/1/
を未読の方はそちらからお読みいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
「阿部まりあを殺したのは、羽鳥翼!!貴方よ!」
ビシッと腕を真っ直ぐ伸ばし、人差し指を彼に向けて見せた。
ガコン…。
自販機からジュースが出てくる音。
背を向けたまま私に構わず羽鳥翼は自販機から出てきた水を取り出すと
静かにこちらを振り向いて言った。
「阿部さん、人を指差しちゃダメだよ?」
真顔である。
この冷静さがなんとも憎い。
大学の食堂すぐ脇にある自販機コーナーで私は彼の数メートル後ろに立ち
仁王立ちして名探偵のように彼を真っ直ぐに指差しているところだ。
通り過ぎてゆく人たちはこんな私にも無関心のようで無言のまま通り過ぎていく。
理系棟のこの雰囲気が私はちょっと苦手。
でも…ここに入れることが、私はすごく嬉しかった。
そう…彼と一緒にいられること。
それが私にとっては最高の幸せ…。