【イラストから物語企画】企画会議はまだ踊る
押しボタンの上でバレリーナのように指が回る『ドンストップミーナウ』のオルゴール。
息を吹き込むと先についたカッパがふにゃふにゃと空中を泳ぎだすラッパ。
リールを巻くと糸の先にぶら下がったビキニが釣れてくる釣り竿。
「で、課長。どれがいいと思います?」
「あのなあ、ジョークグッズ言うても売りモンや。もっとこう…」
課長、目の前に並ぶ試作品を前にため息をつく。
「うーん、けっこう本気で考えたんですけどね」
「そうそう。連休中に家にカンヅメになって」
「駄目ですか? 製作班にはウケてたんだけどなー」
課長、目の前を手で払う仕草をする。
「いつもなら数撃ちゃ当たるでええかもしれんけど、今回は玩具メーカー『チューニィ・チューン』の社長がお孫さんの誕生日に贈るプレゼントなんやで。
大体なんやこれ、没になったやつの焼き直し違うか?」
その言葉に不満を漏らす社員たち。
「いや、そう急に言われても簡単に思いつきませんよ」
「そうですよ。休み返上で無い知恵しぼって」
「課長も気負いすぎですよ。ほら、うちら三流メーカーなんだし」
「「「それだけは言うたらアカン!」」」
その後も企画会議は続いた。
「いや、コンセプトとか抽象的な話はもういいんですよ!」
「ぼくの休みを返してくださいよ!」
「そこまで言うんなら、課長も何か見せてくださいよ!」
「分かった! だったらとっておきを見せたるわい!」
そう言って課長が机からとりだしたもの。
ゾンビの目の穴に鉛筆を差し込むと削りカスが口から出てくる鉛筆けずり。
「「「課長、これホンマにアカンやつや!」」」




