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第十一話「川から…」
むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山にしばかりに、おばあさんは川に洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から「どんぶらこ」「どんぶらこ」と大きな桃が流れてきました。
あれはなんだろうとおばあさんが桃の方へ身を乗り出しました。
すると、突然川下の方から川上へ上って行く鮭の大群がやってきました。
そして、あっという間に川は鮭たちで埋まり、桃を押し上げ、押し上げ、一緒に川上の方へ消えていってしまいました。
おばあさんは、鮭の大群と再び川上に押し上げられていく桃が見えなくなるのを見届けると、洗濯物が一つも流されていないことを確認し、ほっとしました。
そして、いつも通り洗濯を終えると家に戻りました。
夕方遅く、おじいさんが柴刈りから帰ってきました。
「ばあさん、今帰ったよ」
おばあさんが戸口を開けると、そこには大きな大きな桃を抱えたおじいさんの姿がありました。
おしまい




