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スーサイドアップガール  作者: 釧路太郎
鈴木美波編

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悩める鈴木さんと金髪少女と先生 第13話(全14話)

「冗談はそれくらいにして、ソフィーなら顔は知ってるけど中身をよく知らない人に告白されたらどうおもう?」


「私を好きになってくれるのは嬉しいけど、良く知らない人に言われても怖いだけかも。よく知っている人でも考えちゃうと思うけどね。同じクラスの人だとしても、私が好きになる対象じゃないと無理かもしれない」


ソフィアさんは鈴木さんの腕に抱き着きながらそう答えると、二の腕あたりに額をぐりぐりと押し付けていた。


鈴木さんは空いている右手でソフィアさんの頭を撫でると何か納得したような表情で頷いていた。


そのままソフィアさんの頭を軽く叩くと鈴木さんはソフィアさんから離れて椅子に腰を下ろした。


少しぬるくなったお茶を半分ほど一気に飲みほし、ゆっくりと立ち上がってそのまま校庭を眺めていた。


いつの間にか部活は終わっていたようで校庭は先ほどよりも静かになっていた。


部活を終えた生徒たちが使用していた用具などを片付けている中に齋藤さんを見つけると、鈴木さんは手を大きく降って齋藤さんにアピールをしていた。


窓を開けて叫べば聞こえるのだろうが、今日はいつも以上に外も熱いので涼しい室内を外気で熱くすることを選ばなかったらしい。


しばらく手を振り続けていた鈴木さんに齋藤さんは気付くことがなかったのだが、他の部員が手を振っている鈴木さんとソフィアさんに気付いたようだった。


齋藤さんが手を振り返してくれたことに気をよくしたソフィアさんは、体を大きく使ってさらにアピールをしていた。


窓越しではあるが齋藤さんが何かを叫んでいるようだった。


ソフィアさんは再び手を大きく降ってサインのようなものを送っていた。


二人には通じる何かがあったようなのだが、鈴木さんは齋藤さんが気付いて返事を返したあたりでエアコンの風が当たる場所に避難していた。


エアコンの風が当たる場所は思っていたよりも寒かったらしく、ソフィアさんが手を振ることに満足する前に先ほどまでいた席に戻っていた鈴木さんは一冊のノートを取り出して

いた。


そのノートは高校生が使うような物ではなく、小学校低学年くらいの生徒が使うような落書き帳だった。


自分のノートをパラパラと捲っていた鈴木さんがあるページで手を止めると、そのページを僕に見せてくれていた。


おそらく、僕が鈴木さん達と知り合う前に描かれたと思われる絵には、笑顔を見せている男性と女性の間に小さい女の子が二人描かれていた。


女の子の一人は鈴木さんで、もう一人は鈴木さんの妹だと思う。


そうなると、鈴木さんのお父さんとお母さんだと思われるのだけれど、僕が知っている鈴木さんのご両親とは別人のように感じてしまった。

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