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ウチとミーにゃんのお喋り話  作者: にゃん丸
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第三十七話『にゃんのことにゃん』

 第三十七話『にゃんのことにゃん』


「本当だってば。

 ただ困ったのは背中のわらだね。

 このまま持って帰るのもなんだし。

 かといってさ。

 どこかに、ぽいっ、と捨てるのも気まずいし」

「住居区って思いのほか綺麗に整備されていたものにゃあ」

「そうなんだよねぇ。

 なのに、どこをどう見回しても、ごみ捨て場らしきところが見当たらない。

 人影を避けつつ、『どうしようかなぁ、どこかないかなぁ』って歩いてたらさ。

 いつの間にやら人家もまばらな田園風景の中に身を置いていたんだよねぇ」

「家畜、にゃったっけ?

 わらを食べてくれる獣に出逢えて良かったのにゃん」

「今思えば、住居区からはとっくに飛び出していたんだね。

 確か、農業区っていったっけ?

 あそこで働いている連中だけだったな。

 ボクたちが予想したように喜んでくれたのは」

「まっ。それにゃけでも慰めにゃん。

 たにゃ気ににゃることが一つ」

「というと?」

「そばで遊んでいた人間の子どもらがにゃ。

 ウチの手にしているわらを指差して、

『あっ。わらしべ長者だ』にゃあんて口々に叫んでいたのにゃん」

「そうそう。ボクも覚えているよ」

「にゃんのことにゃん?

 と思って話を聴こうと近づいたらにゃ。

 まるでクモの子を散らすかのように、

 ……確かこの表現で良かったと思うのにゃけれどもぉ、

 ぱぱぁっ、と居にゃくにゃってしまったのにゃん」

「ふふっ。住居区とは逆の立場だね」

「家の中に逃げ込んだのは一目瞭然にゃ。

 でもにゃあ。まさか土足で上がり込むわけにもいかにゃいしぃ。

 全くもって残念至極にゃ。

 上手くすれば、ヒントぐらいはもらえたかもしれにゃいのににゃあ」

「今更ぼやいてもあとの祭りさ。

 どうしても知りたいのなら、もう一度、向こうへ行ってみるか、さもなくば」

「さもにゃくば?」

「イオラ様にでも聴いてみるしかないんじゃないかなぁ」

「それにゃん!」


「……というわけにゃんよ」

「わざわざ住居区まで行ってきたの? いろいろと大変だったでしょ?

 お疲れ様でした」

「んまぁ確かに、いろいろとにゃ。……うん?」

「ミアンちゃん!」

 きらきらぁっ。

「うぐっ。

 ミーにゃん顔のドアップにゃん。

 にゃんかものすっごく聴きたがっているのにゃあ」

「ミアンちゃんも知っているでしょ?

 ワタシはイオラの木に宿る精霊。

 とはいうものの、森の精霊たちの存命中は村のどこにでも行けたわ。

 自由だったの。

 でも今は違う。

 イオラの森から外には出られなくなってしまった。

 ワタシの本体はいつも静かで冷たい牢獄の中。

 他のリッチな大精霊とは大違い。雲泥の差よ。

 人の棲む区域に行くなど、思いもよらない。

 といって影を使って行くほど、なにか用事があるわけでもなし。

 といって全然興味がないというわけでもなし。

 この屈折した状況を打破するためにも。

 自由な心をワタシが取り戻すためにも。

 お願い。最初っから詳しく聴かせてぇ。

 ややもすれば壊れてしまいそうなワタシの心を救ってぇ。

 寒さに凍えそうなワタシに暖かな陽射しの温もりを与えてぇ。

 あと、それからそれから」

「にゃあ。イオラにゃん」

「ああん、どうして? どうしてなの?

 折角、盛り上がってきたのに。

 まだまだ心の叫びを訴えたいのに。

 口を挟むなんてあんまりじゃない。

 悲しいと涙が出ちゃう女の子なのよ。

 ぐすん、ったら、ぐすん、なのよ」

「他の大精霊が今のを聴いたら、どんにゃ反応を示すのかにゃあ。

 そもそもにゃ。

 一緒に暮らしているこの精霊の間のどこが牢獄にゃのにゃん?

 昨日、『もっとおとなくしたら』と、こぼしたのは誰にゃん?

 年柄年中、ほわほわと暖かい、ここのどこが冷たいのにゃん?」

「うふっ。ムキになっているミアンちゃんって可愛いわぁ」

「あのにゃあ」



《かさねがさね申しわけにゃい。本当の本当に、あと一回にゃけつづくのにゃん》


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