表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチとミーにゃんのお喋り話  作者: にゃん丸
179/1000

第百七十九話『絶世の美少女にゃん』

 第百七十九話『絶世の美少女にゃん』


「イヤでぢゅ」

「はぁう」

「なんでぢゅ?

 そのあきらめたような顔と、大きなため息は」

「やれやれ。

 身体のでっかくにゃった妖魔が、

 ミーにゃんみたいにダダをこねて」

「ダダじゃないでぢゅっ!

 今更遅い、といっているのでぢゅよ。

 既にお前ちゃんの友だちはみぃんなアタヂのモノ。

 それは紛れもなく現実なんでぢゅ。

 お前ちゃんは現実に背くつもりでぢゅか?」

「相手の許しも乞わずに、無理矢理、じゃにゃいの。

 そんにゃもん、あんたのとはとうてい認められにゃいのにゃん」

「ならばどうするつもりでぢゅ?」

「今いったじゃにゃい。返してもらうのにゃん」

「なら、こちらも繰り返しいわせてもらうでぢゅよ。

 ぜぇったいにイヤでぢゅうっ!」

「はぁう。

 ――もうダダっ子もダダっ子。大ダダっ子にゃん。

 ひょっとすると、ミーにゃんどころか、

 いじけたイオラにゃんよりもひどいかもしれにゃい――」



《あら。なにか呟いたかしら? ミアンちゃん》

《にゃんでも。

 ……っていうか、不意に心の中で話しかけてこないでにゃ》



「なにぶつぶつ呟いているのでちゅか?」

「イオラにゃんが……ううん。

 ハニヤにゃんがあんまりにも『困ったちゃん』にゃもんで、

 途方に暮れているところにゃん」

「なにぃっ。化けネコの分際で妖魔を愚弄する気でちゅかぁ?」

「愚弄されるようにゃマネをするからにゃん」

「うううっ。おのれぇ。黙って聴いていればぁ」

「ぜぇんぜぇん黙っていにゃいじゃにゃいの」

「んがぁっ!

 もはや勘弁ならぬでぢゅ。

 お前ちゃんも他の者たちと同様、

 囚われの身となるがいいでぢゅうっ!」


 どすんどすん。どすんどすん。どすんどすん……ぴたっ。

 じろじろ。


「へぇ。一歩も退かぬなんて。

 なかなか肝が座っているでぢゅねぇ。

 うん。気に入ったでぢゅ。

 アタヂは妖魔ハニヤ。

 黒も黒。真っ黒ライオンのハニヤでぢゅ。

 勇猛果敢を思わせるこのタテガミが目印のハニヤでぢゅ。

 逃げなかったご褒美に、

 この名を記憶に留めたまま、糧にしてやるでちゅよ」

「わざわざの自己紹介、痛み入るのにゃん。

 にゃら、お次はウチにゃん」

「なんでぢゅって」

「まぁまぁ。これもご褒美と思ってにゃ」

「ふん。

 やりたければ、勝手にやるがいいでぢゅよ」

「にゃらば」

 ぐいっ。

「――と前に出てにゃ――

 ウチの名はミアン。見ての通り」

「ふむふむ。見ての通り?」


『絶世の美少女にゃん!』


「あ…………」

 かきぃぃん!

「にゃんと! 凍りついてしまったのにゃん!」



 ぶるぶるぶる。ぶるぶるぶる。

「アタヂは、どぼじてしまったのでぢゅかぁ……」

「にゃあんか、かちんこちん、とにゃってしまったもんでにゃ。

 ほら。焚き火をして、あっためていたのにゃん」

「それはありがとうでぢゅ。

 ――ええとぉ確かぁ、

 アタヂの常識を根底から覆す言葉を耳にしたようなぁ……はっ!

 お礼をいったり記憶を辿ったり、

 なぁんてしている場合じゃないでぢゅ――

 さぁ。早く自己紹介を始めるのでぢゅよぉ」

「焚き火のあと始末をしてからにゃ。

 はぁ。やれやれにゃん」



《あきれにゃがらも、つづくのにゃん》



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ