第百七十二話『にゃあんか張り切っているミムカにゃん』
第百七十二話『にゃあんか張り切っているミムカにゃん』
「早速ではございますがぁ、ミムカの自己紹介でありまぁす!
ごっほぉん!」
「ミーにゃん。しがみつかれたのはミムカにゃんにゃ」
「だったら相手をしても、ふらふら、にはならないかもしれないのわん」
「どうにゃろう。まっそれはそれとしてにゃ。
にゃあんであんにゃむやみに勢い込んでいるのにゃん?」
「ううん………ひょっとして」
「にゃんにゃ?」
「おトイレが近くて、とか?」
「あのにゃあ」
「ミアン。ほらほら。お喋りしている間に」
「紹介が始まったのにゃん」
『ご覧の通り、今の姿には翅がついておりますですがぁ、
なら、「翅人型」かといいますとですねぇ。さに非ず、なのでありまぁす。
ミムカは変態、とはいっても、ミーナとは違いましてですねぇ。
多様型、つまり、ネコ型、翅人型、ぐにゃぐにゃ型と、
いろぉんな姿になれる多用型霊体なのでありまぁす。
これも創造主が、
今は亡き森の精霊シャナさま、だからなのでありましてぇ。
ミムカが森の妖精となったのも、そんな成り行きからなのでありまぁす。
あと、自分でいうのもなんなのでございますがぁ、
顔や力の器量が結構いい線なのも、そのせいではないかと。はい。
さてと。それじゃあ、容姿についても、さらっ、いきますですよぉ。
まずは、ですねぇ。
やっぱり一番目立つ、この黄色い「髪」からにしますかぁ。
とはいいいましてもぉ。
後ろ髪は首のつけ根辺りぐらいまで。
左右の横髪は肩にかかるか、かからないぐらい。
前髪は額を隠す感じ。
なぁんて長さ自体は平々凡々なのでありますがぁ、
どの髪先もハネている癖っ毛のところなんぞは、
なぁんとなぁく、ではあっても、気を引くのではありませんかぁ?
でもってお次はといえば……まぁ「身体」ですかねぇ。
翅人型でもネコ人型でも白地に黒の縞模様。
ミハナダ色、と申しますか、うすぅい藍色の地に、
紺の瞳が浮かぶこの目と、ばぁっちしお似合いでございますよねぇ。
体型は幼児なもんでこれといった特徴はありませんですがぁ、
見ての通り、
細身でありながら出るところはちゃんと出ているのでありまぁす。
そこがまたミーナとは……ごっほん。
済みませんですが、こちらの都合で割愛させて頂きますです。はい。
あとは……そうそう。
霊服と翅は、身体とは逆にですねぇ。
黒地に白い帯の模様が描かれていますですがぁ、
ここは差して目立たないのではないかと、
しょぉんぼり、な自分なのでありますよぉ。
……とここまできたら、性格もいっちゃいますですかねぇ。
落ち込む時も当然ありますですがぁ、
「天真爛漫」とでもいいましょうか。
自分を出したい、開けっ広げなほうだとは思っていますですよ。はい。
ついでながら最後に。
ミムカには「ライバル」というかぁ、
――ううん、もぉっと上手い表現はぁ……そうそう。アレアレ。
アレのほうが、ぴったし、でありますねぇ――
「好敵手」がいますですよ。
さっきから、
ちらちらっ、と口にしている名前の主がそうなのでありまぁす』
「やれやれ。困ったもんにゃ。
ミムカにゃんったら、
自称を『公然たる事実』のように喋っているのにゃん。
にゃあ、ミーにゃんはどう思う……って、
にゃんでハンマーとドリルを握っているのにゃん?」
「ねぇ、ミアン。
どっちを使ったら、
ミムカんはアタシに対する誤解を解いてくれるのかなぁ?」
「あのにゃあ。
やめにゃさいって」
「とまぁ意に反した長々の自己紹介が終わりましたところでぇ」
びしっ!
「ミムカの目をフシアナと思ったら、
大間違いのこんこんちきなのでありまぁす!」
「にゃん?」
「これはまた高飛車に出たにゃ。ミムカにゃんも」
「本当本当。ネコ差し指を突きつけてまで。どうなるか見ものなのわん」
「我が友ミスト、ミロネ、そしてミクリまでも、
あなたは毒牙にかけましたですねぇ。
どうでありますかぁ?
見破られてしまった以上、ここで『観念』とはいきませんかぁ?」
「にゃん?」
「ミアン。どうやらミムカんは、
黒ネコんのなにかをつかんだみたいなのわん」
「どうかにゃあ。ハッタリかもしれにゃいにゃよ」
「まさかぁ。アタシとは違うのわん」
「さっすがはミーにゃん。
自分のことが良っく判っていらっしゃるのにゃん」
「むぅっ」
《さっすがにゃミーにゃんと一緒に、つづくのにゃん》