第百六十三話『あれこれ話パート25にゃん』
第百六十三話『あれこれ話パート25にゃん』
《たまにはこれもいいにゃん、といって欲しいのにゃん》
「ねぇ、イオラ。突拍子もない疑問ってどういうのわん?」
「ミアンちゃんに聴いてみたら? そういうの得意みたいだから」
「得意ねぇ。まぁいいわん。イオラがそういうんなら」
ぱたぱたぱた。
「ねぇ、ミアン。ちょっと聴きたいことが……って、どうしたのわん?
頭を抱えて、ごろごろ転がって」
「にゃあ、ミーにゃん。ウチはどうすればいいのにゃん?
ミーにゃんの小っちゃにゃおパンツが履けるようににゃるには」
「うわん!」
《気ににゃって夜もおちおち、おネム出来にゃいのにゃん》
「ボクが闘うのは、闘いたいからじゃない!
闘いがボクを呼ぶからなんだ!」
「なぁんか格好いいのわん」
「ウチにゃって、おトイレに行きたくて行くんじゃにゃい!
おトイレがウチを呼ぶからにゃん!」
「なぁんかミクリんまで格好悪く思えてきたのわん」
《ウチって『さげまん』かもにゃ》
「ミーにゃんミーにゃん。
最近、あっ! と驚くようにゃことがにゃくにゃってきたのにゃん」
「ふにゃっ! って驚いているからだと思うのわん」
《さっすがはミーにゃん》
「にゃあ、ミーにゃん」
ぽんぽん。
「今日は『雨』でも、明日はきっと『晴れ』るのにゃん」
「ぐすん。それって慰めているのわん?」
「ウチが外へ遊びに出かけるからにゃん」
《ネコはいつでも直球勝負にゃん》
のっし。のっし。のっし。くるっ。
のっし。のっし。のっし。くるっ。
のっし。のっし。のっし。くるっ。
のっし。のっし。
「なにアタシの直ぐ真ん前を行ったり来たりしているのわん?」
「にゃんでも。気にしにゃいで」
のっし。のっし。のっし。くるっ。
のっし。のっし。のっし。くるっ。
「うっうっうっ」
のっし、のっし、のっし。くるっ。
のっし、のっし、のっし。くるっ。
のっし、のっし。
「うっうっうっ……んもう!
ガマン出来ないのわぁん!」
がばっ!
ごろごろごろぉ。すりすりすりぃ。
ごろごろごろぉ。すりすりすりぃ。
「――ぶふっ。構って欲しいにゃけにゃよ――」
《気を引かせるには、毛が、そぉっ、と触れるくらいがいいのにゃん》
「にゃんと!」
ぱたぱたぱた。
「おや?
アタシのアホネコが誰かと話して驚いているわん。
一体どうしたのかなぁ?」
「『しりめつれつ』にゃあんて言葉があったのにゃん!」
「ミアンったら、わが意を得たり、みたいに満足げなのわん。
だけどぉ、ふぅ。
漢字に直したらさぞかしがっかりするのわん」
《尻滅裂じゃにゃいの?》
「今日という日は二度と戻ってはこにゃいのにゃん。
にゃもんで一日一日を心ゆくまで生きるのにゃん」
「なのになんで、おネムなのわん!」
《ネコにとっては、おネムもまた立派にゃお務めにゃのにゃん》
びしっ。
「――とネコ差し指で指差して――
アタシはミーナ!
天空の村の守護神イオラの造り子にして、イオラの木に咲く花の妖精。
イオラの森のお姫さま、なのわん!」
「ウチはミアンにゃんよ。
生前、飼いネコから野良ネコへの変遷を辿ってにゃ。
とうとう死後には、
化けネコにまでにゃったという、いわくつきの子ネコにゃん」
「あっ、そ」
すたすたすた。
「ミアン! 今の見たわん!
あんにゃろう、子ネコの分際で、
ミアンよりも、ずぅっとずうっと幼い癖して、
アタシたちの自己紹介を鼻であしらいやがったのわん!
でもって、
お澄まし顔でゆうゆうと立ち去りやがったのわん!」
「――ミーにゃんって、
興奮すると、言葉遣いが荒っぽくにゃるのにゃあ――
まぁまぁ。いいじゃにゃいの。
あんにゃに可愛いのにゃもん。
にゃにをしたって大概のことは許されるのにゃん」
「そんなぁ。ミアンはやたらめったらと甘すぎるのわん」
「ミーにゃんにゃってすっごく可愛いじゃにゃい。
にゃもんで許されているのにゃん」
「許されている、って……ええと……ええとぉ…………ごっほん。
ミアン、アタシが一体なにをしたというのわん?」
「ぶふふっ。ミーにゃんったらぁ。判っているのにゃよ」
「なにがわん?」
「数えきれにゃいくらい身に覚えがありすぎてにゃ。
どれをいわれてんのか特定出来にゃいのにゃん」
「…………ふん」
《ぶふっ。ほっぺを膨らませてすねた顔がにゃんとも可愛いのにゃん》