第百四十八話『拾う神もあるのにゃん』
第百四十八話『拾う神もあるのにゃん』
「ウチはウチ。他ネコは他ネコにゃ。
それを『この頃のネコは』にゃあんて、
ひとまとめに括られては迷惑千万にゃん」
「アタシもすっごく同意なのわん。
イオラの森のお姫さまなアタシまで含めて、
『近頃の妖精は』なぁんて批判、ぜぇったいに許せないのわん」
「……というおふたりの意見を参考に、こんな姿になってみたのだけれど。
どぉ? 似合うかしら?」
「こんにゃ姿って……、にゃんで『ごみ箱』にゃの?」
「その意図するところが、さっぱりのぱり、なのわん」
「だと思ったわ。なら、ご要望にお答えして、説明してあげようかしら」
「いんにゃ。別にそこまでしにゃくてもいいにゃんよ」
「アタシも。この話はここまで、としておこうわん」
「それでにゃあ、ミーにゃん。
前に話したミリアにゃんの帝国にゃのにゃけれども」
「あっ、あれね。実はアタシも気になっていたの。
教えて教えて。どんな展開が待ち受けていたのわん?」
「にゃんと驚いたことににゃ」
「ふむふむ」
ぬぅっ。
「説明してあげようかしらっ!」
「ふにゃっ! 前の顔が鬼子母神にゃん!」
「うわん! でもって後ろの顔が蛇女なのわん!」
「ミーにゃん、ここは一つ」
「うん。それしかないのわん」
『よろしくお願いしますのにゃん』
ぺこりっ。
「はい。大変良いご返事です」
にこっ。
「…………フィーネ先生にゃんの」
「パクリなのわん」
「まぁそんなに聴きたいの?
だったらこっちも張り切らなくっちゃ」
「――無意味に、うきうき、しているのわん――
あのね、イオラ」
「しっ。ミーにゃん。触らぬ神に祟りにゃし、にゃん」
「ミーナちゃん、ミアンちゃん。
ごみ箱にモノを投げ入れる、っていうのにはね。
『これはごみにゃん。
にゃもんで、ごみとして捨てるのにゃん。ぽいっ』
なぁんて『百尺下の水の心』にも匹敵する深い意味が隠されているの。
さてと。ここまでで、なにかご質問は?」
「にゃんでウチの口調にゃん?」
「そのほうが、判りやすいかなぁ、とか思って」
「これのどこに判りにくいとこがあるのか、
そっちのほうが知りたいのわん」
「まぁ速攻でツッコミ?
んもう、ミーナちゃんったらぁ。あなたもだいぶ成長したわね。
創造主として、超嬉しいわぁ」
「ミーにゃん。『超嬉しい』まで飛び出してしまったのにゃん」
「ハイテンションもここまでくるとブキミ。
『ここは逆らわずに黙って拝聴するほうが懸命なのわん』
アタシの頭のどこかでそうささやくの」
「奇特にゃん。ウチもにゃよ」
「一方、ごみ箱からすれば自分の手に入ったわけだから、
『拾った』といういい方をしても、あながち間違いじゃないと思うの」
「ミーにゃん。にゃんかこの先の展開がみえてきたのにゃん」
「しっ。さっきもいったじゃない。
ここはおとなしくしているにかぎるのわん」
「うんにゃ。ネコは『おこた』で丸くにゃるもんにゃしにゃあ」
「でもってワタシは天空の村の守護神。
まさに『捨てる神あらば拾う神あり』じゃないかしら?」
「イオラにゃん。とぉってもいいにくいのにゃけれども、
その説には重大にゃる瑕疵があるのにゃん」
「まっなんてことを。
一体どこにあるっていうの?」
「捨てるのはにゃにも『神』ばかりじゃにゃい。
霊体にもいるにゃろうし、人間ににゃって。
――まぁ人間にゃら誰でも、かもにゃん――
ことに依ると、獣ににゃっているかもしれにゃい」
「ふふっ。ミアンちゃんったら、ナイスなところに目をつけたじゃない。
そう。そこよ! そこなのよ!」
「どこにゃん?」
きょろきょろ。きょろきょろ。
「――あっ! 油断している隙に出し抜かれてしまったのわん! ――
ミアンったら、ダメじゃない! それはアタシの振る舞いなのわん!」
《とまぁミーにゃんが焦ったところで、つづくのにゃん》