第百四十四話『あれこれ話パート24にゃん』
第百四十四話『あれこれ話パート24にゃん』
《長く続けど、お話は相も変わらず、ふぅ。アホアホにゃん》
「争いではにゃく、話し合いで解決しようにゃん」
「でもそうしたら時間がかかりすぎて、
出来立てほやほやのヨモギ団子がだいなしなのわん」
「にゃら」
ぱくっ。むしゃむしゃもぐもぐ……ごっくん。
「――ううぅん。
残りモノには福があるのにゃん。美味いのにゃん――
ほぉら、食べてしまったのにゃよ。
これで心置きにゃく、ゆっくりとお喋りが」
どがっ!
「んがっ!」
ばたん!
「その最後の一本を誰にするかで、もめていたのわん!」
《もちろん、ウチのにゃん》
「正真正銘、本物のアホを探そうにゃん!」
「うん!」
ぎゅっ。
「ミーにゃん。
にゃんでウチの毛をつかんで、
でもってウチを見つめているのにゃん?」
《ついに自他ともに認められる時がきたのにゃん》
ががああぁぁん!
「やぁっと倒せたね。
ふぅ。いろいろとあったけど、終わり良ければ全て良しさ」
「ミクリにゃん。
巨大奇っ怪獣を倒してくれたことには感謝するのにゃけれども、
そのせいで森の木々や草花が多大にゃる被害を被ったのにゃ」
「まぁそれはそれ、これはこれ、ってことで」
「ダメにゃん。
ちゃんと謝るのにゃん。
でもって出来得るかぎり、修復して差し上げるのにゃん。
さもにゃいと、大変にゃことににゃるんよ。
ナワバリから、ううん、森すらからもにゃ。
追放されにゃいともかぎらにゃいのにゃん」
「そんなぁ。だったら、倒さないほうが良かったっていうのかい?」
「いんにゃ。今いったじゃにゃいの。
倒してくれて感謝するって。
でもにゃ。
壊した責任はとらにゃきゃにゃらにゃいんよ。
ミクリにゃんもいってたじゃにゃい。
それはそれ、これはこれ、ってにゃ」
《やりっ放しはダメにゃんよ》
「(湖のほとりに連なる大岩の一つに寝そべながら、
陽の光に抱かれる美少女がひとり、かぁ。
なぁんかものすっごく詩的な気分になってきたのわぁん、ってことで、
『黄昏を呟く美少女』にでも挑んじゃおうかなぁ、と)
――夕陽がとぉっても綺麗なのわぁん。
涼しい風になびかれるアタシの身体ですら……あぁあ。
まるで燃え盛る炎にでも包まれるが如く、
紅色に染め上げられていくのわぁん――」
たったったったったっ!
「ミーにゃんが大変にゃあ!」
ざばあぁぁん!
「…………ねぇ、ミアン。一つ聴いてもいぃい?」
びたびたびた。
「妖力で湖に大波を起こしたのは、
さっすが、と褒めてあげてもいいわん。でもね」
びたびたびた。
「思いっ切りぶっかけろぉ!
なぁんていった覚えは、これっぽっちもないのわぁん!」
《危にゃかったにゃあ。ミーにゃんが燃えてしまうところにゃった》
「そろそろ時間だ。じゃあな」
ぱたぱたぱた。
「ミロネ……。
なぜなの? どうしてなの?
楽しい『ひととき』って、
どうして、あっという間に終わってしまうのかしら。
はぁ。幸せが私から遠のいていく……」
「ミストさぁぁん!」
たったったったったっ!
「ミリア……。
なぜなの? どうしてなの?
あきらめな『ひととき』って、
どうして訪れてしまうのかしら。
はぁ。不幸せが私の元にやってくるわ……。
しかも、しかも力強い足取りで」
《幸せも不幸せも紙一重にゃん》