表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチとミーにゃんのお喋り話  作者: にゃん丸
133/1000

第百三十三話『迫りくるモノはあきらめにゃいのにゃん』

 第百三十三話『迫りくるモノはあきらめにゃいのにゃん』


「と、ここまでいえば判るよね?

 強硬派が、全体から見ればどんなにわずかであっても、

 膨大な数に昇る。仲間が多ければ、強気も増してくる。

 自分たちだけでも、と考えるようになる。

 行動へと発展していく、ってわけさ」

「頷かざるを得ないわね」

「おっ、ミストにゃん」

「水の精霊と懇意にしている手前、

 水の妖精たちとも多かれ少なかれ、接触があるの。

 地霊じゃないから、支配者なんて考えは持たないのだけど、

 困りものは困りものなの。

『今の自分は本当の自分じゃない!』

 なぁんてひとりでも気炎を上げたら、さぁ大変。

 あちらこちらから賛同する連中が集まってきて、

 途方もない群れを造り出すの。

 それだけだって、こっちをびくつかせるっていうのに……ふぅ。

 なにやらこそこそと、

 あちらこちらで密談をおっ始まるのよねぇ。これが。

 そりゃあもう、悪だくみをたくらんでいそうな気配がぷんぷん。

 揃ってこっちを見つめながら、にやり、とされた時なんか、

 ぞっ、としちゃった。

『触らぬ神に祟りなし』『君子危うきに近寄らず』

 なぁんてことわざが次々と頭の中を駆け巡ってね。

『あっ、やば!』って思わず逃げ出しちゃていたくらい。

 数は暴力、っていう言葉をしみじみと感じたわ」



「あのぉ、よろしいでしょうか?」

「おや? にゃんか声がするのにゃん。

 ええと、どこからぁ……」

 きょろきょろ。きょろきょろ。

「――にゃあんにゃ。穴の上から顔を出しているのにゃん――

 どうしたのにゃ? ミリアにゃん。

 にゃあんか、いつににゃく、おしとやかにゃのにゃけれども」

「済みません。妄想の力を借りないと、いっつも、こうでして。

 ご不満もありましょうが、何卒、お許しくださいますよう」

「いんにゃ。ご不満にゃんて、これっぽっちもにゃいにゃよ。

 いや、それどころか、

 出来ることにゃら、いつまでもそのままで居て欲しいくらいにゃん」

「なんとも喜ばしい物言い。ご冗談とは判っていても嬉しいです」

「違うのにゃん。本気マジにゃのにゃん」

「またまたぁ…………おや?」

「どうしたのにゃん?」

「あのですね。

 大変申しわけありませんが、本気で喋ってもよろしいでしょうか?」

「にゃにを?」

「来たみたいですよ。

 じゃなくって、来ました。アレが」

「にゃ、にゃんと!」



 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

「ミリア殿! 早く中へ!」

「は、はいっ!」

 ひゅうっ……すたっ。

 がばっ。

「大丈夫とは思うが、念のためだ。

 みんなもミリア殿のように頭を抑えてしゃがんでくれぇっ!」


『はいっ!』


 がばっ! がばっ! がばっ! がばっ! …………。


 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 …………。


「立て続けにゃあぁん!」

「ミアン君、黙って。

 声で気配を悟られちゃうかもしれないよ」

「にゃんぐっ」



 しぃぃん。

「静かになりましたですねぇ」

「なら、早く出ませんか?

 穴の中で縮こまっているのはどうにも好きになれません」

「ボクもだよ」

「わたしも。ちょっと悔しいけど、ミリアに賛成するわ」

「アタシだって。ミアンは?」

 すうぅっ。すうぅっ。

「住めば都、してどうするのわん!」

「ミーナ。もうひとり居るみたい」

「えっ。……ミロネんも!」

 すうぅっ。すうぅっ。

「しょうがない。ボクもつき合おうかな、と」

「だったら、アタシもひと休み……うわん!」


 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 どっがあぁん! ごろごろごろおぉっ!

 …………。



 たったったったったっ!

「ダマされたのにゃああぁぁん!」



《にゃんで追い駆けてくるのにゃ、と愚痴りにゃがら、つづくのにゃん》


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ