第百八話『あれこれ話パート15にゃん』
第百八話『あれこれ話パート15にゃん』
《こうにゃれば、つまらにゃくてもにゃんとかにゃる、の意気込みにゃん》
どしん! どしん!
「わがはいは巨大奇っ怪獣ゴガム。この世の支配者となる」
「にゃら、お洗濯をお願いするのにゃ。
もういっぱいたまってしまって困っていたのにゃん」
「ついでに大掃除も頼むわん。
雑巾がけを任せるから、ちゃちゃちゃ、とやって欲しいのわん」
「……のは、やめた」
すごすご。
《実力のほどをみせてもらわにゃいと》
「くんくん。くんくん。にゃあんか香ばしいにゃあ。
思わず食べてしまいたくにゃるくらい、いい匂いにゃん」
「――我が親友ながら、これまた奇妙なことをし始めたのわん――
ねぇ、ミアン。
自分の尻尾に火をつけてどうする気わん?」
「にゃ、にゃんと!」
《そういえば、熱いようにゃ気がしていたのにゃん》
「ミーにゃん!
美女にゃからといって、才女とはかぎらにゃいのにゃん!」
「――いつもながら妙なことを口走っているのわん――
ねぇ、ミアン。なにいってんのわん?
あっ。ひょっとしてアタシ? 美女っていうのは」
「にゃに世迷い言を。
あんたの目の前に居るネコのことをいってんのにゃん。
――ああでも、
ミーにゃんに判らにゃいことを、ウチは判ってしまったのにゃん。
ということはにゃ。ウチは才女とにゃってしまったのかも。
天は二物を与えず、という諫言もあることにゃし、
もうこれでウチは、
美女の看板を下ろさにゃければにゃらにゃいのかもしれにゃいにゃあ。
困ったにゃあ。
誰かウチに新たにゃアホを提供してくれるアホは――
そうにゃん! 居たのにゃん!」
「居たって、なにが?
っていうか、
なんでアタシの顔を見て、狂喜乱舞しているのわん?」
《やっぱ持つべきものは親友にゃん》
「――ミアンったら、
あぐらをかいたまま目をつむっているのわん――
ねぇねぇ。なに瞑想に耽っているのわん?」
「今、ウチはにゃ。
体内に潜む神秘にゃる力を吐き出そうとしているのにゃよ」
「――神秘なる力っていうと、霊力のことよね、きっと――
へぇ。そんなことが出来るのわん。
だったら、それが出るまで待たせてもらうわん」
「そんにゃあ。小っ恥ずかしいのにゃよぉ」
「アタシとミアンの仲じゃない。恥ずかしがるには及ばないのわん。
「さぁ堂々とやるがいいわん」
「本当に? にゃら遠慮にゃく。
うぅぅん、うぅぅん、うぅぅん」
ぷぴっ。
「にゃあんにゃ。
思いっ切り力んにゃのに、こんにゃ可愛いもんにゃけとは。
いやはや。心と身体は別物と、改めて肝に銘じた次第にゃん。
しかしにゃがら……。
モノがモノにゃけに、あっという間に消え失せてしまい、
もはや痕跡すらとどめにゃいのにゃん。
はぁっ。
身から落とせば我が子同然、にゃのに、
にゃんというあっけにゃい幕切れを迎えてしまうのにゃ。
それが宿命とはいえ、
……いやはや、にゃんとも物悲しい別れ方にゃん。
にゃあ、ミーにゃん」
「…………」
「――おや?
うろんにゃ目つきで硬直してしまっているのにゃん――
ミーにゃん! ミーにゃんってばぁっ!」
《やっぱ可愛すぎて、がっかりさせたみたいにゃん》
ぱくぱくっ。
「にゃあ、ミーにゃん」
ぱくぱくっ。
「一部の例外を除いてにゃ。ほとんどの場合、
命ある者って、自分の意志とは無関係に生まれてくるもんにゃ」
ぱくぱくっ。
「まぁそうね」
「亡くにゃる時もそうにゃ。自滅にゃどの例外を覗けば、ほとんどの場合、
自分の意志とは無関係に、滅びを迎えてしまうのにゃん」
ぱくぱくっ。
「うん。反論は特にしないのわん」
「にゃもんで、誰もがこの難問に直面する羽目ににゃるのにゃん。
『自分はにゃんのために生まれてきたのにゃん?』とにゃ。
難問中の難問にゃ」
ぱくぱくっ。。
「でもって、たとえそれが奇跡的に判ったとしてもにゃ。
自分の生死すらままにゃらにゅのに、
一体にゃにが出来るというのにゃん?
どうやって自分の望む生き方を実現するというのにゃん?」
ぱくぱくっ。
「どうやって、っていわれてもなぁ。
返答のしようがない問いかけをされても、困っちゃうのわん」
「ミーにゃん。
命ある者はにゃ。絶えず、これらの難問と立ち向かい、
答えを出していかねばにゃらにゃいのにゃん。
判らにゃければ、判るまで追い求めるのにゃん。
生涯をかけて、滅びの日がくるまでにゃ」
ぱくぱくっ。
「ねぇ、ミアン。
なぁんか小難しい話をしているけど、
それと、はちきれんばかりに膨らませた自分のお腹と、
どういう関係があるのわん?」
「にゃってしょうがにゃいんよ。
ウチの場合、
『食べて食べて食べた先に答えがある』
そんにゃ気がしてにゃらにゃいのにゃもん」
ぱくぱくぅっ。
《一食一食が、ウチにとって悟りの修行にゃのにゃん》