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ウチとミーにゃんのお喋り話  作者: にゃん丸
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第百一話『夢といわれてしまったのにゃん』

 第百一話『夢といわれてしまったのにゃん』


 かきかきかき。

「とどのつまりが、真上と決まったのにゃん」

 かきかきかき。

「にゃあ、ミーにゃん。

 ミーにゃんは、『足をばたばたさせて泳ぐ派』にゃのにゃん?」

「うぅぅんとぉ。

 特に意識をしたことはないんだけどぉ、そうかもしれないなぁ。

 あんまり、『腕を使って』なぁんて覚えはないのわん。

 でも、ミアンは四つ足全部を使っているのね?」

「ウチのは『ネコかき』にゃもん。

 もがいてもがいてゴールへ着くのにゃん」

「うん。なぁんかそんな感じなのわん」



 ずぼおぉっ!

 くるくるくるっ。

「――水面から飛び出すや否や、華麗にゃる連続空中回転!

 でもって最後はぁ――」

 くるくるくるっ、ぴたっ。

「――足元をぐらつかせにゃい綺麗にゃ着地にゃん!

 自分でいうのもにゃんにゃのにゃけれども、

 にゃかにゃか格好良く決まったのにゃん。

 ……にしても、ふぅ。

 やっと水たまりから出られたのにゃん――」


 ずぼっ!

 くるくるくるっ。

「――水面から飛び出すや否や、華麗なる連続空中回転!

 でもって最後はぁ――」

 ぱたぱた。ぴたっ。

「――羽ばたきながらの着地わん。

 自分でいうのもなんなんだけどぉ、

 なかなか格好良く決まったのわん。

 ……にしても、ふぅ。

 とぉっても水たまりとは思えない深さだったのわぁん――」


「さてと。ここはどこにゃん?」

「それそれ。それが問題なのわん。

 アタシたちのゲームの結果が正しかったかどうか、

 今まさに決まるのわん」

 きょろきょろ。きょろきょろ。

「ふにゃん! こ、これは……」

「うわん! ま、まさか、こんなことが……」


「そのまさかよ。ミーナちゃん、ミアンちゃん」

「イオラぁっ!」

「イオラにゃん!」



「どうしたのにゃ? イオラにゃん。

 いつににゃく、ぼぉっ、としたお姿で」

「しかも、今日は珍しく、精霊お決まりの羽衣姿なのわん。

 一体なにがあったのわん?」

「全ては、はるか大昔のことよ。

 惑星ウォーレスから湧き上がった『死の灰』と呼ばれる噴煙が、

 見ての通り、天空の村をも廃墟と化してしまったの。

 生き残ったのも神霊ガムラさまと、ワタシ、イオラのみ。

 とはいえ、既に余力もほとんどなく、全身が消えかかっているありさま。

『いずれ』か『間もなく』かは判らないけれど、惑星ウォーレスのような、

 生きとし生けるものの誰も居ないゴーストプラネットに、

 ……じゃなくてゴーストアイランドに、

 天空の村がなるのは避けられない運命なのよ」

「そんな……そんなはずはないわん!

『死の灰』は、森の精霊たちやイオラが懸命に防いだのわん。

 だから今もみんな生きていて、アタシだって生まれたのわん。

 ミアンだってそう。

 亡くなったあとでも化けネコとなれて、

 でもってアタシと一緒に暮らしていられるのはイオラの力のおかげ。

 天空の村が無事だったからこその賜物なのわん」

「ミーナちゃん。全ては夢なの。

 あなたもミアンちゃんも夢から生まれた存在なのよ」

「夢……」

「天空の村に生きていた命、それら全ての思いが……、

『まだ生きたかった』『生きてああしたかった』『生きてこうしたかった』

 などといった未練の思いが……、、

 夢を、もう一つの天空の村を生み出してしまったの」

「そんなぁ」

「でも所詮、夢は夢。現実じゃないわ。

 現実はここにあるだけ。

 ミーナちゃんもミアンちゃんも夢が造り出した夢の存在でしかないのよ」

「ミーにゃん。本当にゃの? 今イオラにゃんが喋ったことは」

「……違う。違うわん。ゼぇったいに違うわん!」

「違う?

 ミーナちゃん。ワタシのいったことは全て真実よ。

 他にどんな説明があるっていうのかしら?」

「それは…………それは…………はっ!」



《はっ! のあとを気にしてにゃ、との願いを込めて、つづくのにゃん》


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