第九話 『怪物』稽古
対峙する男の強さは戦ってみてすぐに分かった。計り知れないのだと。
剣術、体の使い方の全てに無駄がない。さらに、虚をつくような攻撃も躱すか受け流され一切ダメージにならない。
それどころか、攻勢にでた隙をつかれて一撃を食らう。
その度に修正しながら攻撃をするもやはり躱される。
「ーーーハァァァァァッ!!」
裂帛の気合を込めた渾身の一撃も木刀の腹で弾かれる。
反動を利用して放った足払いも軽く飛んで避けられる。逆に脇腹を横薙ぎにされ吹っ飛ぶ。
左腕を庇って右から落ち、強かに右肩を打つ。握っていた木刀は地面を転がる。
受け身を取れたおかけで肺が苦しくなるほどではない。
「もう、万策尽きたかな?刀羅、君」
つかつかと歩み寄ってくる上下の黒いジャージに身を包む男は誰あろうムラマサである。
改造人間にされ、尋常じゃない身体能力を有するまさに怪物。
その怪物は四肢に重りを付け、木刀を刀羅の分まで用意し、手加減した上で戦っていたのだ。ちなみ木刀はムラマサが気がついたら持っていたものだ。
訓練であろうとなかろうと刀羅が手も足も出ないほどの苦戦を強いられた相手は四人目だ。
その中でもこの男は群を抜いてる。
瞬発力、柔軟性、度胸、身体能力どれをとっても他の三人は遠く及ばない。それだけの怪物を目の前にしているというのに刀羅は苦笑を浮かべている。
「怪物相手に策もクソもある、か」
近づいてくるムラマサの顔目掛けての殴打も軽く受け止められ、足払いを食らって地面に倒れる。
「怪物扱いはやめて欲しいな。それに、手加減もしてるから常人並みの力しか出してないよ」
上から降ってくる声を聞き流しながらしばらく空を見上げる。
反動をつけて跳ね起きしようかと思って左腕がまだ痛みを発するのでやめて右をついて普通に立ち上がる。服についた土をほろいムラマサに視線を移す。
「何が、怪物じゃないだ。後ろから攻撃してもこっちが倒れたのを起き上がらせようと不意をついて攻撃したのも全部かわしたくせに。十分怪物だろ」
刀羅が悪態をつくとムラマサは不服そうに顔をしかめて口を尖らせる。
この十数戦の模擬戦を中でムラマサという男を観察し分かったのは二つ。
一つ、デタラメな身体能力は腕力、脚力だけに留まらず動体視力はもちろんの事反射神経、先を読む力
「だからさぁ。手加減したって言ったじゃん僕だって本気で殴ったら君の体十個じゃ足らないぐらいの威力なのは知ってるよ」
さも当然というように語るムラマサに刀羅は驚愕を示さないはずかない。
改造人間という情報と異常な身体能力からその膂力もまた計り知れないものと考えてはいた。
しかし、その表現の基準を刀羅としたということは人間十人にその狂気的な膂力をくれてやったということに他ならない。でなければ、人を例えに出す理由が見当たらない。
「...マジで言ってんなら怪物だぜ。やっぱ」
「マジだよ。僕は鋼に覆われた部屋を穴だらけにしたことあるんだから」
銀色の部屋の至る所に穴が開き、風が入っては出て風の唸る音がする部屋が容易に想像出来てしまう。
「やめてくれ、んなの聞いたって何の役に立つ?」
「役には立つよ。君が囚われて鋼の檻に閉じ込められたりした時とか、君が囚われて鋼の鎖に繋がれたりした時とか、君が....」
「分かった。そりゃ役に立つのは分かった。けど、何で俺が毎度毎度囚われんだよ?」
「その方が想像しやすいかなーって思って」
「そりゃどうも」
意味のわからない配慮に皮肉を込めた感謝を表し、数メートル先のバックを置いたベンチに向かって歩き出す。
当然の如くそこには誰も座っていない。
荒井は用事があると車に乗ったところで言って刀羅を人気のないところに下ろし消えた。
一人取り残された刀羅は荒井からのLINEを受けムラマサを呼び、おぶさって飛んだり走ったりで十分。何度か死を覚悟するスピードと高度に晒されながらも無事に辿り着いたここは『快空公園』という広大な自然に囲まれた公園である。
全体の広さがどれだけあるかについては見て回ったわけではないので分からないが、刀羅とムラマサが戦闘訓練を行うには十分過ぎる広さがある。
そして、公園とついてもいるが遊具は一つもない。その代わり、木々が平地を囲むようにある。看板を見るにその木の先もまだ公園だという扱いらしい。
その中、刀羅達を除いて人が一人もいない理由は言うまでもなく荒井の手回し故である。
やはり、計り知れないものを持った男だと改めて実感させられた。
これだけの土地を一時的にであれ立ち入り禁止にすることが出来るといのだから。更にそれを最長で半日。最短で五分という時間で出来るのは一体どれだけの地位と権力を持っているのか。
と同時に分からない。何故、これだけの場所を用意することが出来るというのに、たかだか高校一年生の刀羅にその場所での訓練をさせるのだ。それなら、軍全体の演習地として使った方がよっぽど効果的で合理的だ。
考えれば考えるほど荒井優希という男は不透明で何を考えているのか分からない。
思案する刀羅にほって置かれるのに寂しさを覚えたのかムラマサが口を開く。
「君って何かやってたの?」
「何か、とは?」
「いや、武術とかそういうの」
「剣道を少し」
「使ってるのはその方法ーーー戦い方なの?」
「いや、大分違うな」
刀羅の戦い方はすでに剣道を逸脱した戦い方をしている。
なるべく実践的な戦い方をというのを意識し出して形になりつつある今だが、そもそもそれは仙堂との訓練の成果なのである。
組手で仙堂は刀羅の弱点となりうる身体能力、体格の差をどう埋めるかを考えるようにさせていた。
それで現在刀羅はタイミングを重視した戦い方をしている。
「踏み込みのタイミングだったり、間合いの取り方については主軸になってるけどな」
「じゃあ独学だと?」
刀羅は首肯して応じ、ムラマサは悩ましげに俯くように顔を伏せる。
「それであれか...」
ムラマサは意味ありげに呟いて思案顔になる。
俯いて、瞳を閉じ何かを思い出すように人差し指を額に当てる。
それは何とも滑稽に見えなくもないが笑えない。
思案顔をやめ、顔を上げたムラマサはベンチから立ち上がり座る刀羅と対峙する。
「休憩は終わり、始めよう」
不安半分、期待半分で待ったムラマサの答えは素っ気なかった。
指摘するでも指示をするでもない。
ムラマサは返事も待たずに歩き出す。
諦めてムラマサの後を追う。
周りに何も無い丘の所に立ち止まる。ベンチのある方とは逆を見渡せば木々にまばらに咲く花がまだある。
それを眺めながらムラマサは手を打つ。
「さて、ちょっとさっきとは戦い方を変えよう」
話を進展させる言葉に「具体的には?」と問うように眉を上げ、首を傾げる。
「とりあえず、このまま始めようか」
「それは、自分で戦い方を分析しろってことか?」
「その力は高いんでしょ?あと....それはいいか。始めよう」
歩いて距離を取りながら言い淀んだ言葉の続きを聞くより先にムラマサが動き出す。
残像を残して刀羅に近づいてくる。現れては残像となり、現れては残像となる。
それだけでも人ならざる身体能力の表れであるが、これはムラマサが敢えて見えるようにしている。それを理解した上で次の出現位置を予測しながら木刀を両手に構える。
神速ならぬ『怪速』は刀羅の常識の範囲を軽く逸脱する。それを攻略しようにもその糸口すら掴めない。
目を走らせ残像と音を追い、次なる予測を立てるもそれは『怪速』でもって裏切られる。
故にーーー
「はい、三回目。あと、二回で君の負け」
音も無く後ろに立ち首筋に指を当てた怪物は刀羅に囁く。それは、擬似的死の三度目の宣告だった。
耳元で囁かれた声に反射的木刀を振るが間に合わない。
すでに消えたムラマサは視界の範囲どこにもいない。否、見えないのだ。
一瞬にして視界の範囲から脱するだけの瞬発力と脚力まさに怪物。加えて近づく時だけ音を消し、風を感じさせないようにするだけの器用さを備えるのだ。
いかなる予測も外れ、攻撃は当たらず、後ろを取られては死を植え付けられる。
ただただ一方的な蹂躙。
一度、二度、三度と繰り返した死の形それはいつも同じだ。
後ろを取り首筋に指を当て死の宣告をする。
これは一連の流れとしてあり、一方的な蹂躙を示すに明白なものであり刀羅には唯一の光明である。
それを利用しない刀羅ではない。
後ろに立つことも指を首筋に当てることは利用可能。
そして、刀羅の勝利条件はムラマサが五度死の宣告をする前に一撃をくれてやること。それが出来れば刀羅は勝ったことになる。それを伝えたられたの1度目の死の後だった。
ただし、残りチャンスは二回。実質一回。
その一回で一撃を当てるには真っ向からやり合ったのではまず勝ち目がない。だとすれば当てるにはあの『怪速』を止めた上で隙をつくそれが唯一の勝利法。
故に選択は走る。木刀は後ろを警戒するように腰の横に構えて目指す先は森。
丘を駆け下り森目掛けて一直線に走る。
ムラマサは追ってきていてもそれを知覚させない。
だとすれば気にするだけ無駄。一心不乱に走り、木に囲まれるまで奥に入り込み、木刀を離さず深く呼吸して荒ぐ息を落ち着かせる。そして視線を走らせ耳を逆立て流れる空気までにも意識を注ぐ。
流れる時間。緊張が走る。
仕留めるための画策は用意した。
木刀を右手で持ち、いつでも動けるよう中腰姿勢で待ち構える。
そしてその時は来た、落ち葉を踏む音に秒速の刃を振るう。
予測で振った刀受け止められる。
「甘い」
「ふっ」
相手を背にして不敵な笑みを浮かべた刀羅は木刀を握る手に力を込めて押す。しかし、微動だにしないその木刀から手を離し振り向くと同時に潜り込ませるようにムラマサの腕を掴む。
予想外の動きに疑問を抱いたのか一瞬反応の遅れたムラマサに距離を詰め右足を左足の脛目掛けて蹴る。それを足の裏で止められる。そのまま力を加え続ける。
掴んだ右手に力を込め左足を真横に振り地面に水平となって目掛けるのは刀羅の右足を抑えている足の膝裏。
宙に浮く形になって攻撃は賭け以外の何もでもない。
「デレェャアっ!!」
刀羅の渾身の一撃は吸い込まれるように膝裏目掛けて迫り、当たるーーー寸前ムラマサの左手だけでそれを止める。
「くっ、いっ...」
渾身の一撃を防がれたその異常さに苦鳴を漏らし、残る攻撃手段となった左腕を宙に浮いた体勢のまま振りかぶり背中目掛けて振るう。
ーー当たった。
「....よし」
『怪物』に対しての勝利だった。当たらなかった一撃が当てられる。
達成感と共に去来する勝利に刀羅は内心歓喜に吠える。
押さえつけられていた足を下ろし腕を掴んでいた手を離し怪物ーーームラマサと相対し勝利の笑み浮かべ宣言する。
「勝ったぜ」
「凄いね。当てるまで五ヶ月はかかると思ってたよ。いやー凄い。これなら次も出来るね」
一瞬驚きに満ちた顔をしていたが、すぐに微笑むように感嘆を漏らし刀羅の結果に賞賛を送る。
そして次なる訓練を臭わせる発言にそれを期待し逸る気持ちとそれが何であれ困難な内容になる予感がよぎる。
「そんなかかるか。てか、次って?」
「まあ、それは次回でいいんじゃないかな?今続けたってきついでしょ?」
「呑気なことをそんな事で....」
「呑気も何もこのまま続けても疲れるだけ。今のだって結構疲れたでしょ?」
ムラマサの提案に悔しさを感じるもそれは事実だ。
今の一瞬の無理な体勢での攻撃とここまで走り続けた疲労は勝利条件を満たし緊張の緩んだ刀羅にのしかかる。肩に何かを乗せられたようなけだるさを感じる。
歩き出すムラマサを追って並んで歩いて戻るもやはり体は重い。
「いやーでも、あれはずるいよね」
のんびりと穏やかな風に浴びながら悠然と責めてくる。
しかし、先の戦いの中でずるいなどと言われるようなことは刀羅はしていない。
例えあったとしてもそれは勝つための策であってずるいなどと言われるような謂れはない。
「何がずるいと?」
「落ち葉」
何を白々しいとでも言うように苦笑を浮かべ口にしたのは刀羅が動き出すきっかけを与えたものだ。
眉を寄せて刀羅は応じる。
「勝つための策だ。あれでもかなり不確定要素多い賭けだったんだ。あんた相手にはまともな策がなかったからな」
「それでも痛む心とかないわけ?」
「別に」
ムラマサの自然犠牲にしたものはという糾弾を刀羅はすげなく切り捨てる。
そしてムラマサが糾弾する刀羅がした事はーーー
「そこらじゅうの木とか走りながらむしり取って集めたんだろ?でも、あの量はいくら何でもどうなの?」
ーーー走りあの場に至るまで木につく葉をちぎりあの場にある木からも半径約三メートル近くに渡って撒いたこと。
しかし、それも勝つための策だ。相手は怪物。
後ろに立つという決定事項を利用しようにもそこには常人である刀羅には問題があった。それは後ろに立たれ、死の宣告を受ける時まで気配がしないという事だ。いくら後ろに立つことが分かってもそれがいつなのかぎ分からなければ動くことが出来ない。
故に、タイミングを図る方法が落ち葉ーーー木から葉をちぎり撒くという方法であった。
「だからあんた相手にはあれぐらいはしないと無理だったんだって」
「でも、あんなにすることはないだろうに。それに、僕が攻撃出来ないのも利用したでしょ」
「それはしゃあない。つか、それはあんただって利用される想定はしてたんだろ?」
ムラマサは自身で利用するように仕向けたことすらも引き合いに出して刀羅を責めるが逆に仇となって自身の思惑を見抜かれ言葉に詰まる。
そこで、刀羅としても無益で不毛な会話から話題を変え素朴な疑問を投げ返す。
「あんたが戦い方と速度も変えた理由は?俺は休憩前の方がやれてなかったし、そっちの方が苦手な自覚はあんだけど」
「あまりにもだったからっていうのもだけど、君の戦い方が変わるかなっ思ってさ」
言いたいことはシンプルだが、刀羅は何のことか分からず眉を寄せる。
刀羅の戦い方とはその場にその相手にその時に応じて変えている。無論そこに基礎となりうる剣道の体の使い方だったり剣の扱いだったりを全く反映させていない訳では無い。
しかし、それが戦い方の根幹まで関わるようにはなっていない。
黙り思考の中で答えを見出そうとしている刀羅に声が掛けられる。
「変えるというよりは気づいて欲しかったんだけど。...君は相手の攻撃を考えてそれをさせた上で自分が攻撃する。そういうやり方をしてるだろう?気づいてるかい?」
先の戦い。今日あった襲撃。病院近くでの不良との喧嘩。異世界者を名乗る男との戦闘。
その全てにおいて刀羅は敵の攻撃を躱して出来た隙をつくというやり方でーーー
「ーーーあ」
気づいて吐息が漏れる。
ムラマサの言う通り刀羅は同一の戦法を要いて戦っていたということになる。
それは動きを見切る動体視力に、攻撃を避け攻撃を食らわせる柔軟性に、攻撃を避けるタイミングを勘に、相手が自分より先に攻撃するという予測に大きく依存し大前提とした戦法だ。
しかし、刀羅にはそれが出来た。いや、出来ていた。
動き見切る動体視力や攻撃を避けるタイミングは剣道で培い、繰り返される仙堂との組手の中で向上させた。加えて柔軟性や身体能力はあの施設で行った訓練で身につけた。
そして、相手が自分より先に攻撃するという予測は度胸試しのように相手との距離を詰めてそこで生じる焦りを利用して確実に起こるものとしていた。
しかし、これは全て刀羅が相手よりも動体視力が良いか拮抗する程度であり、相手が刀羅よりも一撃に臆病である場合。それでなければ成立しない。
よってムラマサには通用しない。動体視力は大きく劣り、度胸など圧倒的な身体能力の差の前では意味を成さない。
そもそもムラマサは攻撃してこない。それは出来ないからだ。
強すぎる自身の腕力を脚力を攻撃に際して制御が出来ないからかは知らないが出来ないと言った。
事実自分から攻撃をしてきてはいない。受け止められ足を刈られる程度。それを除けばムラマサは攻撃など一切してない。
「だから、俺はあんたに攻撃出来ないってことか」
「僕の場合君の動きは緩慢に見えるし攻撃も反応するのに十分余裕がある。そんな僕に君の『度胸試し戦法』は通じないのさ」
「『度胸試し戦法』ねぇ...言ってくれる」
「まあまあ。それでも悪いとこばっかじゃないよ。僕みたいな超人じゃなきゃ君の戦法はそれなり効くと思うよ」
賞賛なのか自慢なのか。どちらとも取れる言葉を口にして笑う。おそらくどっちもなのだろう。
『度胸試し戦法』などとふざけた名前をつけた意趣返し。
「超人...?怪物の間違いだろ」
「僕には牙もないし角もない。怪物と言うには地味すぎるんじゃない?」
呆れたように吐息をこぼし、怪物のイメージと自身を比較させる。
あくまでそれは見た目だけの話。中身まで考えた時やはりムラマサは怪物だ。
「そんだけの力持ってんだったら角も牙も無くても十分怪物だ」
諦めたのかやれやれと首を振りそれ以上の反論は無かった。
そこで一つ後回しにしたことに言及する。
「次回っていつだ?」
「いつがいい?」
次回と言っておいて決めてないいい加減さに覚える呆れは置いていおいて。
時程を選べるというのは好都合。
備えるには一刻も早く自分自身を戦力に足せるようにならない。
現状刀羅単体で明陽と雪を守りきるのは不可能だ。それどころか自分自身の身すらも危うい。悪運尽きれば死は免れない。
そんな不確定要素に頼って命を投げ出す訳にはいかない。
だから何よりもまず強くならねばならないのだ。
「明日」
「それはやめた方がいい。というか、僕の方が無理だ。めんどくさいとかじゃなくてね....んと、そう。精神的に疲れてね」
「結局めんどくさいからだろ?」
適当に過ぎる言い訳に呆れ口調で応じる。
とうとう森が開けて丘に出る。
「違うんだって。まあ、見せた方が早いのかもしれなけどさ。流石にこれは....見せられないしな」
訳の分からない言い訳の後半は最早独り言になり刀羅に伝える気などない。
とりあえずムラマサの思考が終わるのを待って、
「よし、じゃあ次の時に理由とか見せるよ。今日は帰ろうか。暗いし」
「それは嘘じゃないだろうな?嘘だったらデスソース飲ませるからな」
「何だか分かんないけど恐ろしいものってことは分かるよ」
はぐらかしたムラマサに勝手に致死量に等しい激薬を飲ませる約束を取り付ける。
激薬を飲んだムラマサの反応もまた一興。しかし、理由を知っておく方が有益だ。
「さて、帰るぞ。買うものも出来た...」
ベンチに置いてあるバックを担ぎ、ムラマサに担がれしばし上空の旅だ。




