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絶希  作者: 自来也
第一章 謎多き始まり
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プロローグ 最悪にして始まり

通りから外れた狭く暗い路地の中。

世界に忘れられたような異質な世界。

その中五人の少年少女と黒装束の何者かが向かい合う。

何者かはフードを目深に被っているせいで顔は見えない。

そして何者かは手を突き出して聞き取りにくい低い声で何かを言うとその手のひらのさきにいた少年の体は宙を赤い何かを撒き散らしながら舞う。

重力が次第に少年を地面へと引きつける。描いた放物線の終わりに至る。

そこで四人は理解する。血を流し倒れる友の存在を。

呆然とする三人。理解した状況を現実と受け入れきれず、一人荒い呼吸を繰り返す少女。

そして、運が悪かった。


「キャーーーーー!」


血を流し、目を見開いた仲間の死体が目の前に落ち、感情が限界を超える。

そして、声からしておそらく男であろう黒装束は手を突き出し今度は少女を狙う。そして、今度は低く冷酷な声で静かにハッキリと言う。


「黙れ、目障りだ。サゼス」


今度は吹っ飛ぶのではなく深々と胸を抉った。

それは素人目にも分かる死だ。

少女は口からも血を流し転がる死体に折り重なるようにして倒れる。

また一人。

目の前で起こる光景に怒りが爆発した少年が怯えながら怒声を上げ単身突っ込んでいく。

呆気なく少女と同じように胸を抉られ口から血を流し倒れた。

そして、また一人。

残されたのは荒く呼吸をしながら目を見開いて理解を超えた現実という絶望に今にも泣き出しそうな少女。

そして、使命感で震える足を鼓舞しすくむ心を奮い立たさせる少年。


「俺が時間を稼ぐ。通りまで走れ」


「.....えっ?そんな....」


「いいから!早く行け!」


「わ、分かった」


少年の剣幕に押された少女は立ち上がり逆方向にある通りに向かって走り出す。


「逃がすか!」


「させるか!」


追おうとする黒装束の男の前に立ちはだかる。


「仲間、見殺しにした挙句女まで逃がせねぇとか惨めすぎんだよ!」


「カッコイイねぇ。女を守るために自身を投げ出すか。でも、その勇気もっと早く出してれば彼らも死ななかったかもしれないのにねぇ」


男は冷酷で低い声のまま嘲る。それが少年の怒りをさらに燃やす。


「サゼス」


男が唐突に唱えたのを聞いて弾かれたように右に飛んで避ける。


「お前の魔法みてぇのは手の向ける方向に真空波みたいなのを飛ばしてくる。そんで範囲は狭い、手の方向さえ気をつければ避けられんだよ!アホッ!」


殴りかかるとひらりとかわされる。


「なかなかいい分析だねぇ」


男に間髪入れず距離を詰めて追撃。

しかし、攻撃というと攻撃は躱され八発目を避けられて回転蹴りを鳩尾みぞおちに食らう。

魔法使いと油断したがその威力たるや内蔵を潰すには十分な勢いと威力だ。

そのまま吹き飛ばされ地面に落ちる前に何とか受け身を取り頭だけは守る。

しかし、守りきれず打ち付けた背中から肺に心臓に胃に与えられた衝撃に吐きそうになってのたうち回る。

何とかそれを堪えて震える足を叩いて鼓舞し、痙攣する胃を気力でやり過ごす。

彼我の実力は圧倒的。飛び道具の魔法に加え少年を優に超える格闘技。

しかし、こんなことで諦められるわけがない。


「諦めらめられるかあぁぉぁぉぁ!!!」


無謀にも正面から殴りかかる。

難なく躱した男は手を構える。


「サゼス」


咄嗟に腕で庇う。

庇った腕を深々と不可視の刃が襲う。

血を噴き出しながら倒れ、地面に流れる大量の血を直視して覚悟する。

ー死ぬんだ


「人間とはなんとも無様」


振りかかる冷淡な声と同時に通りの向こうから「大丈夫かー」という声が足音とともに近づいてくる。

男は一瞬そちらに視線を向けると装束を翻して向きを変える。


「お前はせいぜい次に俺と会う時まであの小娘を守るんだな」


「ど....うい...こ....と...だ」


消え入りそうな意識をかき集め残る余力を使い果たして言葉にする。


「いずれ分かる」


そう言い残すと男は消えた。

そして影月刀羅かげつきとうらは意識を失った。

どうも自来也まだです。

受験が終わってどうにか投稿出来ます。

これからは新話も書きながら改稿します(したいです)。

とりあえず第1話は改稿しました。出来れば読んでください。今回予約が出来なかったです。申し訳ないです。

ということで何はともあれこれからもよろしくお願いします。

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