神に物を直す能力を貰って転生したら銀髪少女になっていたったwww
タイトル通りです
男は死んだ。普通の社会人であり死んだところでさして興味は持たれ無い。
男は神に出会った。死因を聞いたら普通に交通事故だったそうだ。
神は言った。あなたに特別な才能を与えて別の世界へ飛ばすと。男に拒否権など無かった。
男は理由を尋ねた。特に意味は無い暇つぶしだそうだ。
男はさらに尋ねた。どのような世界なのかと。人間同士が争っている世界であると。
神は言った。特別な才能はこちらで事前に決めてあると。
男は飛ばされた。まだ知らぬ未知の世界へ。
男は普通の村娘として生まれた。親は仲睦まじいおしどり夫婦だった。
少女となった男はすくすくと成長していった。
少女が生まれて5年が経った。親に言葉や文字を習いながら年相応の振る舞いをしていた。
少女は両親を尊敬していた。両親も娘のことを愛していた。
両親は普通の農家であった。トラクターなど存在しない、それどころか車など存在しない文明が古い時代であった。それ故に毎日鍬や鎌を持って雑草を取ったり耕したりしていた。
少女に農業の仕組みなど分かるわけも無く。今はただ見守る事しか出来なかった。
少女が8才になる頃には村の子供たちのリーダーであった。大人達の手伝いを率先してやる賢い子供として村の大人達から愛された。
少女を好きになる子供は多かった。器量の良さもさることながら容姿も端麗であるからだ。綺麗な長い銀髪にそれに見合ったサファイアのような青い瞳と可愛らしい顔。体もまだ子供であるがその将来は約束されていると感じれた。
少女が10才になった日、少女は特別な力を得た。少女の手から不思議な暖かい光が出たのだ。
少女は混乱した。これはいったいどういう力なのか判らないからだ。試しにその光を部屋の机に当てると机についていた傷が塞がっていった。
少女は理解した。これがどのような力なのか。その光は止めと念じれば止むし、出ろと念じれば出た。
この力のことは両親に説明を行った。どのような態度をとられるか不安だったが、便利な力だと褒めてくれた。
少女はその力を使って村の壊れた農具を直していった。村中から感謝された。村の資源は少ないのだ。その消費を抑えられるのは村にとってはありがたい事であったからだ。
少女が12才になり初潮が始まると許婚が決められた。前から仲良くしていた男の子であるため満更でも無かった。
ある日、少女が両親の手伝いや物の修復をしていると1人の男が村を訪れた。
男は日焼けしたような黒い肌であり、村では見かけない顔立ちだった。
村人達は不審に思いながらも折角訪れた男を無碍にも出来ず村に泊めることにした。
少女は男の話す言葉を理解できなかったが、村人に通じている所を見るといずれは習う言葉なのかなと思い気にしないようにした。
男が村人から少女の力について聞いたのか見てみたいと言って来た。
親からも許可が出ていたため少女はその力を男に見せた。
その力を見た男は心底驚いた。男はその力は世界を変えられる力だと宣言するが少女は理解出来なかった。ただ物を直すだけの力で世界を変える事の意味を。
後日、男はお礼とお金を渡し村を出て行った。
これでいつもの日常が戻ると少女は思っていた。
男が村を訪れた1ヵ月後、村は火の海に包まれた。
屈強な男達が武器を持って村を襲ったのだ。
村人が1人また1人と殺されていった。両親はそれを見て少女に言い聞かせる。なるべく逃げるように、生きて欲しい、笑っていて欲しいと。
少女は言いつけを守るように涙を流しながら村から逃げようとしたがすぐに捕まってしまう。
男達は少女の両親の首を見せ付ける。両親の首だけでなく死んでいった村人達を見せしめの様に。
少女の頭が追いつく前に目隠しをさせられて強引にどこかに連れて行かれる。
目隠しを取られるとそこは牢獄であった。それを理解したら少女は押し倒され体を固定される。
次の瞬間、少女は斧によって足を断ち切られた。逃げられないようにするためだ。
少女が足を断ち切られると理解すると同時にとてつもない激痛に襲われる。泣き喚いていると静かにしろと顔を殴られるが痛いものは痛いのだ。
手早く止血は行われたら少女の前にある物が大量に置かれる。
それは壊れた武器である。未だに痛みから立ち直れない少女を蹴飛ばし力を使って直させる。
壊れた武器は瞬時に修復されていき新品同様になる。それを見た男達は満足気にしていた。
それから少女は少量の食事を与えられては武器を直し、時に男達の欲の吐け口にされる。そんな毎日であった。
少女は最後に両親に言われた事を思い出す。生きて欲しい笑っていて欲しいと。
少女はその言葉を思い出し、それが最後の繋がりであった。
その言葉に従うように少女は笑った。心も体もすでに壊れている。それでも諦めずに笑って生きていた。
笑う少女を不気味に思いながらも男達は少女に欲を出す。
もうどれ位の時間が経っただろうか。持ち込まれる武器は日に日に減っていく。
牢屋の監視をしている人数も来た時には5人ほど居たのだが今ではすでに1人だけである。
食事の量も少なくなっていく。戦況が良くないようだ。
そうして遂に監視がつかなくなった。武器も持ち込まれなくなり退屈な時間が出来た。
外で大きな音が鳴る。牢屋の方に大勢の足音が近づいてくる。そして牢屋の前に辿り着いた。
今まで見た男達とは着ていた服が違った。どうやら別の人達のようだ。
力なく顔を上げて笑って出迎え、そして気を失う。
裸の少女は体中に痣や切り傷が出来て足も無い。それを見た男達は牢屋を壊しすぐに少女を保護した。
保護された少女は生きているのが奇跡だと言われた。ひどい栄養失調であり、血も足りていない。
少女が目を覚ますとそこは病院のような場所であった。何年も見ていない白色に目を細めていると医師と思われる男が少女の様子を見に来る。
少女が知る言葉で話しかけてくるが、少女は声が出せないでいた。何年も話していないため声帯が安定しない。うーあーと声を振り絞ろうとするが駄目であった。
医師は紙とペンを取り出し文字を書いていく。これを読めるかと尋ねると少女は頷く。
少女に紙とペンを渡し何か書くように優しく言う。少女がまず書いたのはここはどこか?というものであった。
医師は少なくとも天国では無いよと冗談交じりに言うと少女は少し笑ってしまう。
そんなやり取りをしながら、少女は自身の名前や生まれた年なんかを書いていく。どうやら少女は現在15才、3年近くあの牢屋に居た事になるそうだ。
少女が医師と話して?いると来客が来た。この国のお偉いさんであるそうだ。
そのお偉いさんは何か怒った様子で少女に掴みかかる。どうやら敵国でひたすら武器を直していた事を兵士に拷問で吐き出させたようである。
それを聞いて少女は紙に書いたのはたった一言、生きるためにはしかたなかった。
その紙を見たお偉いさんは頭にきたのか少女を裁判にかけると言い出す。
あれよあれよと話は進み、少女は有罪判決を受ける。その力を悪魔の力とされ磔にし、火炙りで処刑された。民衆から石を投げられ、罵倒され火炙りにあいながらも少女は最後まで笑っていたと言う。
その成り行きを見た神は鼻で笑いつまらんと吐き捨て、また新たなコマを用意する。