俺のかんがえ
順調だ
高校生活が始まり二ヶ月、宮木星は確かな手応えとともに食堂で飯につく
俺は今テーブルで3人、慣れない学校生活の他愛もないはなしをしている。
できたばかりの友達と、いや作り上げたお友達というのがふさわしいかもしれない。
入学当日から徐々に接近して、昼飯を共に食べるなかになった
まじっ
中身のない口先の言葉
ワロタ
感情のっていない笑顔
でもコミュニケーションが成立する日常会話を繰り出している
今日の収穫は高城と村本のプロフィールといったところか。
ラーメンのスープが底に付いたころ、昼休み終了のチャイムがなり、俺たちは話しながら次のきょうしつにむかった。
そのまま五六時間目も何事もなく、平和な学校は終わった
おい、お前風呂沸いたぞ
妹の声で星は起きた
どうやら家に帰宅して、寝ていたようだ
だまれ、いまはいるわ
やたら、偉そうな妹に怒鳴りかえした
風呂にはいるか
湯船に浸かり、二ヶ月の学校生活を振り返る
友達と呼べるのは2人、クラスではまだ混沌していて、支配権は誰も握っていない、それぞれの生徒がお互いに様子をみはからっている
時期的にも今月が勝負になるだろう
そんなとき、一つの歌が頭に流れてくる
いーちねんせーいになったーら友達ひゃくにんできるかなー
ふざけるな、この歌は間違っている、軽い
自然にできると思えば大間違いだ。
学校は戦場だ
宮木星は思う、自然に学校に向き合えばどうなるか、イケメンはある程度の女子票をもつ、運動神経がいい子は男子の人気者だ、けんかが強ければなめられることはない、こういう恵まれた才能があればいい、しかしその反対にはブサイクは気持ちわるがられ、サブカルずきのおたくは反社会的だといわれ、人見知りでうまく喋れないのは問答無用で陰キャラくたー、圧倒的貧乏人はふけつから隔離される、性格だって生まれつきのもの、やさしい人は愛され、陰険なやつは距離をとられる
人は思っているより、残酷だ、
中身などお構いなしに五感から人の情報を入手し表面上自分にとって有益かを判断する
中2っぽくいえば運命は人には変えられない
その五感を使って判断する過程、それがコミュニケーション、運命を変える有力な手段
俺の場合はどうか前者ならよかったのだが、身長は175で普通、棒体系、けんかは中の下、勉強はくそ、顔は童顔、人見知り、まったくもって負け組よりなステータス
己を出せば、学校に居場所はない、コミュニケーションという最強の幻術をつかいピエロを演じよう
学校での生活なんて、と思う諸君、それは甘い、小、中、高、自信を得たものは社会でも強きに生きていける、虐げられてきたものは、コンプレックスをもち深い闇となる。学生時代によくも悪くも、かけられた呪いは、己のステータスをさらに尖らせ、勝ち負けを人生においてはっきりさせる
いわば貴族と貧民の論理だ、貴族は小さいころから自信があって、貧民をばかにしている、貧民は小さいころから貴族にムチをうたれ
私はムチをうたれるものだと思う
貧民は大人になったところで、貴族にツたちむかおうなんて思わない、革命がないかぎりそれが自分だから。
人生において革命を起こす陰キャラは何人いるだろうか、
俺は学校生活という戦場を勝ち抜いてみせる