四日目
最終話です。
では、どうぞ。
最終日は、ホテルからバスで大阪に向かった。
残念な事に、途中から雨が降り始めた。
大阪のお笑いを見て、アーケードの下を少し散策し、
バスの中から城を眺めて旅は終わった。
後は駅から新幹線に乗り、出発した駅へと戻るだけだ。
今度の車内でも寝るヤツがたくさんいた。
「今日は寝ないんだな?」
窓側の席で外を眺めている大垣に声をかけた。
俺の席は彼女の正面という、非常にうれしい配置にある。
安田は寝てしまい、柳田は別の席に行っている。
俺の隣の男二人も、どっかに行ってしまった。
・・・きっと後で高くつくだろう。
「あぁ、まだ眠くないからさ、眠くなれば寝ると思うぞ。」
当たり前の事を返されてしまい、言葉を繋ぐ事ができなかった。
大垣は、再び景色を眺め始めた。
いやいや、負けるな和久。
「まあそうだな・・・あ、色々写真撮ってたけど、何かいいのあったか?」
「ん? そうだな、葵の写真は気合い入れて撮ったけど、後はどうかな?
取り込んでからじゃないと、少しボケてても分かんないからな、
バッテリー気にしてあんまり撮れなかったし、やっぱ予備にもう一本欲しかった、
予測が甘かったな。」
写真がらみの話なら、生き生きと喋る。
だから圧倒されてちゃ駄目だ、和久。
「俺はいいもん撮れたぞ。」
衣装に着替えたのももちろんだが、それ以外にも結構大垣の写真を撮っていた。
それだけでも大収穫な旅だった。
「へー、何撮ったの?」
やっと話に乗ってくれた。
「お前の寝顔。」
大垣は一瞬止まって赤くなった。
こいつもこんな所があるんだな。
「消せ! 今すぐ消せ、いやカメラよこせ、私が消す!」
「美晴・・・どしたの?」
騒ぐ大垣の声で、安田が起きた。
二人だけの時間が終わってしまった。
「田村、カメラ!」
いやいや、いくら言われてもこれは渡せないな。
これは俺の宝物だ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!
くっつく話ばっかだったから、フラグの立たない話を・・・と。
空振りしまくる男の子がちゃんと書けていたでしょうか?
(キャラの違いを出す言葉の選択、が今回の自分に設けた課題でした)
活動報告で書いた、風呂の大掃除しながら思いついた話で使う小ネタと、
前回更新の話で出した写真の小ネタをMIXで。
・・・あぁ、着たいな狩衣。