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第6話  最強の高校生スタート⑥

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やりすぎた。



それは高校生活初日の感想であり、到真の叫びでもあった。

25キロあろう道を十分ぐらいで走りきるというどこぞの世界最速超人ですら真っ青な記録をたたき出した到真。

このことを一部だけも見ていたのは幸いにも校門前にいた職員だけであったため懇願のあまり若干脅迫になりつつも、何とか秘密にしてもらえることで校門の件は何とかなった。



だが学校に一番早く着いたのもあって〖韋駄天〗なるあだ名が付けられた上に、到真だと世間にばれなかったものの猛スピードの正体不明なナニカが走っていたとしてネットの方も若干騒がしくなっていた。


こうしたのもあってさらに気を使うことになった到真だったが翌日にスポーツテストだと聞いて益々気が重くなった。



体育は異世界に行くまでならば好きな教科であり、運動神経は良いほうだった到真にとっては楽しみであったが、異世界から帰還した後の到真にとっては目立たないように何倍も気を使わなければいけなくなったため好きにはなれなくなっていた。


「ただいま~~~.........」


夕方にも拘わらず残業で徹夜した会社員のごとくの無気力で自宅へと帰った到真は()()()()()()()に気づいた。


「結界に何か干渉したのか?」


到真の自宅には一人暮らしを始めた矢先に不審者対策として自宅に結界を張っていた。隠蔽に特化したもののためあくまで頑丈さはないが裏を返せば何者かがこの結界に気づいた可能性があるということだ。



いったい何者かのか、そう心でつぶやきつつ護身用に懐に忍ばせていた匕首あいくちを構えてリビングへと入った。


(敵....ではなさそうだな...........)


これまでの歴戦の経験から姿は見えないものの何者かが侵入したのは確信したが敵ではないことも確信していた。


(リビングに痕跡はない。二階でもない。となると...庭か)


敵ではないといえども警戒を緩めず庭へと入ると目の前に答えがあった。


「黒猫だな」


そうつぶやく到真の言葉通り庭に黒猫が倒れていたのだ。

黒猫はケガをしておりこのまま処置をしなければ命に関わるかもしれない状態だった。


「黒猫一匹相手にやりすぎじゃね....?」


そう疑問に思うのはケガもそうだが傷口からは呪術とも思える痕跡が見られたからだ。



この世界での魔術といったものを到真は知らないが明らかにそれは異世界(到真がよく知る)ものに似ていた。たかが猫一匹相手に呪術を使うなど羽虫を殺すのにミサイルを使うようなものであり、加えて異世界から帰還したのは到真が知る限り到真ただ一人だ。


一緒に転移したクラスメイトのほとんどは死んでおり、魔族側として加わったものについては戦争終盤で死んだのをこの目で見た。ことの真偽がなんであれこの件については調べなくてはならない。


「重要参考人である黒猫こいつは助けないとな。」


そうして到真は瀕死の黒猫を抱えてリビングへと戻り黒猫を治療する準備を始めるのだった。



--------------------------------------


東京都内にあるとある和風豪邸の一室、そこには電気の明かりもなく月明かりも刺さない夜の帳を一つだけ置かれたろうそくの明かりがその部屋の妖しさを引き立てていた。


そんな一室に一人座る老骨ながらまわりに威圧感を漂わせる男はしばらくすると一人暗闇に語り掛けた。


「猫神を見失ったということか。()()()()がわざわざ道具を用意してくださったにもかからわらず」

「その認識で正しいかと。処罰はいかなりと受ける所存です」

「いや、今はいい。今は猫神を捕らえるのが最優先だ。東京にまでは連れ込んだのだな」

「はい。連れ込んで移送する隙を突かれた感じです。あれだけの深手でよもやあれほどの余力があったとは.......」

「御託はいい。早く見つけ出せ。五大家にして猫神を本尊とする清羅せいらの連中も次期当主を捜索に動かした。彼女らよりもみつけださねば〚計画〛の実行前にわれらは終わるぞ。」

「はっ。直ちに」


その言葉の直後闇が少し揺らめいた。



先ほどの豪邸から離れたところにある神社、その一室でも16歳の思しき少女が電話をしていた。


『.....それで猫神様の行方は今もなおわからないんだね?』

「うん。ごめんない。」


少女の自分の無力さを悔やむ謝罪に電話の話し相手は『いいや』と全く責めるつもりもな声色で許すと



『いくら次期当主だからっていっても汐奈はまだ16歳だ。それに、もし仮に猫神様相手に一本取った連中がいたとしたらお前といえど荷が重い。生きてくれるほどこっちにとっては朗報な物はない。決して無理せず自分の手に余るような事態だったら遠慮なくこちらに連絡するようにね。』

娘を気遣う父の言葉に自信を回復させながら自分は次期当主とういうことを改めて自覚すると先ほどとは明るい声で

『うん。わかった。』


そう告げたのち、窓を開け夜風で涼みつつ気持ちを整えて決心を固める。

「必ず見つけ出します。それまでどうかご無事で」















この日を始まりに誰も気づかないまま運命の歯車が、因縁が動き出したのだった。



カクヨムでもやっていますのでそちらよろしくお願いします

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