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第40話  異能力②

更新遅れてごめんなさい..........。カクヨムで書いてた経験が長いのでそっちを優先させてしまっていました。これからなろうも更新していきます。

ドサッ、という何かを降ろした音とともに東京警察庁のヘリポートに三人の人物が気絶していた。


 その横には金と銀色の一匹の獅子が見下ろしていた。

 状況から察するにこの獅子が運んできたのだろう。


「これでいいだろう。後はこの国の機関が対処するはずだ。」


この獅子、いや夜月(やつき)にとっては先程の三人組を圧勝するなど朝飯前だった。

そうして倒した夜月は三人をここへ運んだのだ。

ここにおいておけば()()()()()()()()()()()()()()という猫神なりの配慮だ。


(しかしこやつら一体何者だ?)


最初は雷崎家の一件の黒幕と思しきものの刺客だと思っていたがこの男たちは生け捕りにするつもりで襲ってきたらしい。

しかも倒した後に術で少し調べたのだがどうも別の組織の人物ときたのだ。


気になりもするが餅は餅屋ということで”専門家たち”に夜月は任せる(丸投げともいう)事にしてこの場を去ったのだった。


---------------------------------------------------------


『次のニュースです。今朝未明に国籍不明の男女3人組が警察庁のヘリポートの上に

倒れているのが発見されました。』

「あ、そういえばこの屋敷に泥棒が入りかけたぞ」

「ブフォ」


ついこの前に入手した屋敷で朝食を食べるとともに朝のニュースを聞く傍らの夜月の爆弾発言に到真は口に含んでいたビーフコンソメのスープを噴きだしてしまった。


「早速⁉」

「大丈夫じゃぞ。結界張っておるし騒ごうにも泥棒しようとした何ぞ話せないから心配はいらん」

「それもそうか..............」

(奴らは普通の泥棒ではなかったがな......)


口八丁に夜月にごまかれていることに気づかない到真だったが口元を整えて朝食を食べきり学校へと向かう途中だった。


『国内の無国籍の人は約1,200人と言われていますよね?』

『確かにそういわれていますが実際は氷山の一角に過ぎないのが現状ですね』


無国籍のニュースの話題でコメンテーターと専門家の会話が到真の足をふと止めたのだ。


(戸籍..........あいつの為に用意したほうがいいのかもな.........)


いつ来るかわからないがいずれ来た時のために用意したのほうがいいのか、それとも自分はこんなことを思う資格はあるのか


過去の行動からどこか葛藤してしまう到真だったが、今は学校がある。また考えればいいと切り替えて学校へと向かった。


しかしその業は今にも迫っていることを到真は気づいていなかった。



---------------------------------------------------------



東京のとあるビルの執務室でハクシキは頭を抱えていた。


天理あまのり到真とうま........一体何者なの?」


机の上にある書類は全てその少年の調査結果なのだが正体に決定打となるものが見当たらないからだ。


一応それっぽいのは彼が7年前に事故にあって5年間昏睡状態にあったぐらいしかないのだ。それ以外は実家が旅館を経営してるぐらいしか分かっていない。


もし仮に復活した際に”異能”に目覚めたとしてもたった2年、それも何のノウハウもなしにAランクの実力者を圧倒できるとは到底思えないからだ。

思考が迷宮入りしてここ最近中々休めず疲労が溜まっていくその時だった。


「下手に考えるよりも()()()()()だと考えたほうがいいっスよ」


能天気な声とともに入ってきたのはボクシングのヘビー級を超える体格の良いスーツ姿の男性だった。糸目で金髪をオールバックにして左腕を三角巾で固定していた。

そんな男をハクシキはその能天気さを恨めしく視線を向けつつけだるげに答えた。


「バディス、よっっっっうやく復帰したのね」

「よっぽど恨めしく思っているっスね」

「当たり前よ。貴方がやられたせいで一体どれ程予定が狂ったかわかる?」

「マジですいません。けどあれは自分だったのが不幸中の幸いっス。もし他の誰かだったら少なくともそいつは使い物にならなくなっていましたっス。」


謝罪しつつも的確な指示にハクシキはこらえつつ話をふる。


「あなたから見て彼はどうなの?」


感想でもいい、今は少しでも情報が欲しいのだ。


そうして机にあった資料を受け取ったバディスは自分の記憶と資料を照らし合わせて暫くして


「この資料の経歴はあまりアテにならないっス。彼がぶつかった時に感じたのは巨大な岩石が突っ込んできたようなものっス。一朝一夕で手に入れられるものではないので何かしら訓練、もしくは実戦を積んでいると見たほうがいいっス。」

「そう、ありがと」

「しかしこうなると”電界”と”模倣”の二人が恋しく思うっすね。あの二人なら」


バンッッッ!



バディスの言葉を衝撃が潰した。

ハクシキが机を強くたたいたからだ。

衝撃によって机の資料が舞い静寂が執務室を包む。


「............あの二人の話はやめなさい。既に始末しているし、そもそも彼らが原因でわざわざ出向く羽目になったのでしょ」


冷たく殺気を混じった低い声にバディスは口にはしないが謝罪する。

下手な言葉では一層刺激しかねない。


「フェクトの三人組も既に根回しして今日中には帰還できるわ。ただこの一件でこの国の異能機関に目を付けられたから時間はない。貴方も復帰次第作戦に移ってもらうから」

「了解っス。」


そうしてバディスが出て一人となった執務室でハクシキは景色をにらんでいた。


「必ず成功させる。”オーディン”の悲願、神への道のりは邪魔させない...........!」

感想等は遠慮なしにお願いします。

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