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第24話 動き出す雷崎家④

夕方になり到真は自宅に戻る傍ら食材を途中のスーパーで補充して帰路へとついていた。

 特売セールだったので量の割に値段を安く抑えられていたので家計的にはホクホクだし、仕送りの分も合わせたら来月は結構余裕がある。

 良い買い物をして自宅近くへと近づいた時だった。


「あまりにも人の気配がなさすぎる」


 あまり人と積極的に関わらない到真にも明らかに異常だとわかるくらい周りは静寂に包まれていた。

 その様子はそこにどの生物もいないと錯覚するほどであった。

 人の気配が少なくともあるはずの住宅街が静まり返る原因は一つしかない。

 首筋を襲う刺したような感覚が根拠を示していた。


(【人払い】、それもかなり強く張っているな)


 歴戦の経験によって答えを直ぐにはじき出すと到真は直ぐに斜め後ろにある一軒家の屋上へと目を向けて告げた。


「用があるならで出来たらどうだ?さっきからバレバレだぞ」

「これはこれは感服ですね。上位の術師でも結界の中にいるのに気付くのがやっとなレベルのものですがねぇ................................さっきから後ろ向いていますが何もありませんよ?」

「う、五月蠅いやい」


 盛大に外した到真はバツが悪そうに振り向きつつ声の主へ振り返る。

 前にいた男は顔こそは整っているが指にはめている漆黒の禍々しい指輪に長爪、服もどこぞの秘境民族じみた模様が入ったローブを纏っている。

 明らかに不審者だが本人が結界張ったと明言した以上警察といった応援は望めまい。

 臨戦態勢の到真に対して男はどこか仰々しいお辞儀をしてこう告げた。


「私の名は雷崎ククリ、”雷豪らいごう”の一角を務めています。鳴が随分お世話になったようで」

「あんた鳴の関係者か、何の用だ?」

「はい、世話になったお礼をしたくてね」


 お礼と言いつつも男の殺気、それも殺しを楽しむようなものを相対した時から感じているが明らかに警戒がなさ過ぎている様子に到真は動じない。


 異世界でもこういうのは実力の分かっていないチンピラか自分の強さにおぼれている者が大半で、結界の腕からも考えると後者であると判断して不審な動きを見せれば即座に無力化できるとしつつも警戒は緩めない。


 その時だった。


「お前たち、やりなさい」


 その言葉とともに現れたのはフードを被った5人だった。体格はバラバラであり、大人じみた者や少年と思しきものまでいる。

 顔は目玉の描かれた布で隠れているがその服装は明らかに実践に特化させた服装であり動きやすさを優先したのかフードと一体化した外套の中にはプロテクターと思しきものが隙間から見えており、意思を感じさせない足運びと雰囲気から生きた人形であった。


 そして男の指示を受けて唱えた呪文は《《本来この世界にないはずのものだった》》。


「【世界を構成せし始原よ・牙となせ・我が腕に今宿らん】」


 そうして唱えられた呪文からフードの人物たちから石道が分解されて生じた粒子らしきものが集まるとそれは刃となしていく。

 一見すれば信じられない光景に到真は一つの答えを確信して、それ故に驚愕した。


錬金術アルケミス、それも【幻隠の刃(ファントムダガー)】だと!?)


 錬金術アルケミス、それは魔術の中でも物質を扱うことに特化した分野であり、世界を構成するとされる粒子とされる基底子オーデルの配列の組み替えに長けた分野である。


 その性質から金属や大地に干渉する土属性と相性は良いが実践に使うには下準備がかなりかかる上にましてやあのフードたちのように刃のような高速錬成しようものなら《《適正がなければ》》その処理速度に脳が焼かれて廃人確定な代物である。


 だがその性質から裏では敢えてこの負荷をかけることで意思を奪い命令に忠実にするようにするという非人道的な活用もあったりしている。


 先の術である【幻隠の刃(ファントムダガー)】がいい例でありその性質から禁呪扱いされているが暗殺結社などではよく使われているために到真も存在を知っていた。


 フートの5人は到真に思考を許す間も与えんとその刃を迫らせーーーーーーーーー


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