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第13話  邂逅⑦

 夕方になり、帰りの学生が多くなってきた東京の渋谷駅構内を到真は歩いていた。


 当真の学校は品川区にあり、自宅は世田谷の隅っこの方のためそこそこの距離はあるが、ぶっちゃけ先輩たちから逃走劇を繰り広げてきた到真にとっては寄り道する予定だったとしてもこれくらいは楽しまないとやってられない状態だった。


 渋谷も秋葉原同様にアニメショップがあるのでそこでよく読む漫画の最新刊を買いつつどこぞの星が付いた喫茶店で最新のチョコフラペチーノを飲みつつそろそろ今日の寄り道の目的を果たすかー、と考えていら一匹の白い鳥が目に入った。


 ほかの鳥と比べて色の違いもあって目立っているが周りの人は気づかずに過ごしおり、しかもその鳥に鑑定の魔術を使ったところさらに普通じゃなかった。


「霊力で構成されているだと?供給元の線らしきものがあるということは誰かが霊力を送り込んでいるのか?」


 式神というやつなのか?と疑問を浮かべる到真だがその鳥と目が合った気がしたので即座に視線を逸らして怪しまれない程度にそそくさと離れた後、懐から手鏡に似た物体を取り出した。


 その物体はどちらかというとレーダーに近い外見をしており上にあるボタンはまるで某国民的作品のレーダーにそっくりだった(実際それを参考にしたため似ているのは当然なのだが)


「昨日即席で作ったものだが、黒猫にはしっかり反応したから大丈夫だろ。」


 24時間365日平常運転であれば不眠不休で動ける到真にとって夜も活動時間の一つに過ぎない。そんな空き時間に現実スポーツテスト逃避がてらで作ったのがこれだった。



 最も探索用の魔術を妖怪にも反応するように調整した術式を組み込んで作った魔道具なのだがそれでも黒猫には反応した性能は期待できなくもない。


「それじゃサンプ.....じゃなくて妖の生態観察といきますか」


 ーーーーーーーーーー


「あれは昼休みに話した男子じゃない」


 白い鳥は陰陽術で作られた式神であり、その術者である雷崎鳴は到真を目撃していた。


 彼女は古来より日本の裏側で妖怪から人々を守ってきた陰陽師の一族の末裔である。


 雷崎家はかつてかつて5大家であったが歴史の変革の中で上手く適応できずに衰えていき今では陰陽師として知らぬ者のいない阿部家の分家の一つとして傘下に収まっていた。


 最も阿部家は()()()()()()()()の為に東京しか勢力圏に収めていない上にその管理も分家に任せっきりである。


 だがその中でも本家だけですら他の五大家の総力に匹敵する実力者の集団でありそうした影響力もあって阿部家は五大家ではないものの同格である。


 陰陽師の仕事の一環として区域の見回りを式神で行っていた彼女は偶然にも到真を式神経由で見ていた彼女はスポーツテストから感じていた違和感が一層増していくのを抑えられなかった。


「式神と目線があった後にわざわざ移動したのはおかしいし、何より素であの身体能力も信じられない。............少しつけようかしら」


 何かある。


 そう確信した鳴は式神に彼を尾行するように命令したのちに追加で霊力を送ることで式神を透明化させると自身も距離を取って彼を尾行し始めるののだった。



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